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アディダスと將門(JUMP)案、最高裁判所が差し戻し判決

アディダスと將門(JUMP)は、両社共に著名なスポーツ用品メーカーで、右に示す商標は、両者ともに靴類の商品への使用を指定しており、この二つ図案は、長年紛争が絶えず、25ヶ国にも渡り、訴訟を繰り返している。

アディダスの三本棒線の商標「adidas & 3 stripe device」は、19983月に「adidas」の連合商標により、台湾知的財産局に出願、登録されたのが、台湾では最初である。対する旅東貿易会社は、19867月には、右図の「將門」の商標を出願している。旅東社は、アディダスと將門の商標は、構成が近似していると認め、知的財産局にアディダスの商標査定を取消すよう要求した。また、アディダスの商標は、出願、登録が遅かったことから、各国で商標登録出願しても、近似により拒絶査定されている。 1

旅東社は、「自社こそが3本棒線の商標の独創者であり、アディダスは、3本棒線の商標を後から普及し始めたうえに、『將門』の国際靴類市場への進出を妨害し、商業競争中において、あらゆる方法で販売を阻止しようとしており、特に世界各国で商標登録を獲得しようとするのは、十分悪意に満ちている。」と主張した。

原審である台北高等行政裁判所は、下記のように認定した。

1. 両商標の主な図形は、どちらも、左から徐々に階段状に排列する三本の斜めの棒線であり、両図案は、上下に対称で、將門の商標に円形点が一つ多い点以外は、確かに近似を構成している。

2. 原審では、「アディダスは、実際に靴上に使用する図案は、3本の棒線がほぼ同じ長さであり、出願した商標の図案は、3本の棒線が徐々に長くなるデザインで、両者が異なっているのではないか」との質疑があった。

3. アディダスは、「1949年に、先に3本の棒線の商標を作成、使用していて、1970年から、台湾で、アディダス系列の商標を連続して出願、登録した。それに対し、旅東社は、1980年に初めて、跳躍を呈する図形の商標をデザインしており、アディダスに比べて丸々30年も遅れている。アディダスは、多くのカタログ、新聞雑誌、領収書等の証拠を提出し、3本の棒線の商標が国内で長い間使用されていて、かつ、相当有名である。」と主張した。だが、原審では、証拠物上の日付けが、全て1998年以後となっており、商標出願日より遅いことから、アディダスの敗訴となった。

台湾最高行政裁判所は、数日前、該案件の判決において、原審の裁判を覆し、「商標の近似および産品の類似だけで、両商標が混同誤認の虞れを有すると言えるわけではなく、会社が、該商標を、善意を持って広域に普及させているかどうか、および、消費者の該商標に対する熟知の程度も考慮して、混同誤認の虞れを判断する必要が有る。」「もし、善意により長期にわたり普及され、かつ知名度を証明できる商標は、近似していても、登録することができる」と認めた。また、最高行政裁判所は、「二つの商標は、3本の棒線が同じであるが、該図形は、創造的デザインではなく、その上、両商標は、それぞれ中国語の「將門」および英語の「adidas」という文字を付けているので、見た目が明らかに異なる。原審は、アディダスが提出した、アディダスの普及を証明する証拠を調査せずに、該商標が「將門」の商標と、市場に長年併存するか否かを判断したことは、明らかに違法であり、よって原審に、調査をやり直し、判決を改めアディダスの勝訴とするよう要求する」と認定した。

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