世界貿易組織WTO会員が果たすべき義務を果たし、国際的に同調するため、今回の台湾の商標法草案においては、TRIPs協定、パリ条約規定、シンガポール商標法条約規定の精神を参酌し、相関的修正を提出した。また、知的財産権利者の保護を強化するため、商標権利侵害の責任成立となる要件を明確にし、現行の関係規定の調整等を行う。これ以外にも、著名産地の名称を具体的で実際に保護するための政策に基づき、また実務上の審査の要求に合わせて、標章、団体商標の証明等に関する規定を修正する。その主要な修正要点は、以下のとおりである。
一、 シンガポール商標法条約に合わせた改訂:
1. 商標法保護の客体(対象)が拡大され、商品やサービスの起源を十分に識別できるいかなる標識にも及ぶとする。(草案第5条第1項)
2. 復権に関する規定の増改正。(草案第25条第3項)
3. 商標授権を専属と非専属授権に分け、その訴訟行使上の権利の規定を増改正する。(草案第33条、第33条の1)
二、 商標権利侵害規定の再検討:
1. 商標侵害行為の態様を明確に規定する。(草案第61条第2項)
2. 「権利侵害と見なされる」を擬制する規定の範囲の修正(草案第62条)
3. 商標権利侵害責任の主観的要件を明確にする。(草案第62条の1第2項、第81条、第81条の1)
4. 権利侵害訴訟が提起可能である資格に関する増修正(草案第62条の2)
5. 税関で職権により権利侵害物品を予め差し押さえることができる国境管理制度措置の規定を増設する。(草案第68条の1)
三、その他の重要な規定:
1. 商標共有制度の規定を増設する。(草案第2条、第22条の2、第38条の1)
2. 復審および争議審議委員会の専門の章を修正する。
3. 登録費用を二期に分けて納める規定を削除する。(草案第25条第2項)
1. 証明標章は、証明文書を添付しなければならないとの規定を新設する。(草案第72条の2、の3)
2. 産地を証明する標章に関する規定(草案第73条の1)、産地の団体商標にかかる規定(草案第76条第2項、第3項)、産地の団体商標使用の規範書(草案第76条の1第4項、第77条の1)を増設する。