台湾知的財産局が2023年上半期の知的財産権の出願動向を発表
台湾知的財産局は2023年7月27日に2023年上半期(1月~6月)の知的財産権の出願動向を発表した。特許、実用新案、意匠および商標の新規出願の受理件数はそれぞれ24,316件、6,993件、3,444件、46,578件で、前年同期と比べて特許が0.2%減少、実用新案が2%減少、意匠が2%増加、商標が4%減少したことが分かった。
特許出願では、台湾籍出願人と外国籍出願人による出願件数がそれぞれ9,390件と14,866件で、前年同期と比べて前者が0.4%増加、後者が1%減少したことが分かった。台湾籍出願人のうち、台湾積体電路製造株式会社(TSMC)は1,171件の出願で、知的財産局が2016年に上半期の統計結果を公布して以来7年連続のトップとなった。そして、注目すべき点は、IC設計大手の聯発科技株式会社(MediaTeK)が321件で2位、民生機器の受託製造大手の英業達株式会社(Inventec)が132件で6位にランクインし、それぞれ114%と23%増加し、両社ともに過去最高の記録を更新したことである。このことから、人工知能分野での出願が増えていると推測される。また、外国籍出願人では、サムソンエレクトロニクス社が前年同期比48%増の430件の出願で初めて1位になり、そして、韓国のeコマース大手のクーパン(Coupang)(159件)と中国のシーアンエスウィンマテリアル(Xi’an Eswin Material)(126件)が初めてトップ10に入った。
台湾籍出願人をさらに分析すると、大企業(6,266件)と中小企業(1,369件)による特許出願件数は前年同期と比べ、それぞれ2%と3%増加し、そして、研究機構(147件)と、銀行、証券会社および保険会社を含む金融業界(87件)による出願もそれぞれ12%と4%増加した。
意匠出願では、パソコンメーカーであるエイサー株式会社(Acer)が55件の出願で昨年に続き台湾籍出願人の1位となり、外国籍出願人では、高級ジュエリーブランドであるカルティエ(Cartier)が72件で67%の成長率を達成し、昨年の5位から今年1位になった。
商標出願では、全体の出願件数が昨年までは3年連続増加したが、今年は昨年同期と比べて4%減少し、台湾籍出願人と外国籍出願人の出願件数はそれぞれ36,449件と10,129件であった。台湾籍と外国籍の出願人が最も出願した、トップ3の区分を分析すると、台湾籍出願人の第30類(コーヒー、調味料、菓子など)への出願が45%減少し、外国籍出願人の第9類(電気制御用の機械器具など)、第35類(広告、事業、卸売など)および第5類(薬剤など)への出願がそれぞれ19%、11%、10%減少した。
台湾籍出願人のうち、食品関連業界・流通業界・小売業界の最大手である統一企業株式会社(Uni-President)が前年同期比56%減の239件で昨年に続き1位となり、外国籍出願人では、中国の上汽通用五菱汽車(SGMW)が84件で初めて1位となった。
外国籍出願人による台湾知的財産局への知的財産権の出願を国籍別に分析すると、まず、特許出願件数の上位5カ国のうち、日本は0.4%微増の6,193件でトップとなり、2位の米国は12%減の3,317件であった。注目すべき点は、中国(1,683件)と韓国(1,263件)はそれぞれ18%と19%増加しており、従来と比べて台湾への出願が増加傾向を示していることである。そして、実用新案出願では、中国が前年同期比10%増の308件で、昨年に続き1位を維持した。また、意匠出願では、前年同期と比べ、日本(449件)と米国(323件)とドイツ(85件)がそれぞれ13%、3%、43%減少したが、中国(249件)からの出願が32%大幅に増加した。最後に、商標出願では、中国が前年同期比6%増の2,391件で1位の座を守り、2位の米国(1,453件)と3位の日本(1,396件)は前年同期と比べて、それぞれ24%と18%減少した。
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