台湾知的財産局が2021年度専利ランキング上位100位を発表
台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)が6年連続トップ
【出典:知的財産局ウェブサイト】
台湾知的財産局は、2022年2月15日に2021年度の専利(専利とは、特許、実用新案、意匠の総称である)出願及び公告、専利証書交付統計のランキングを発表した。特許、実用新案、意匠の三種類の出願において、台湾国内法人では台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)が1,950件の出願件数で6度目のトップとなり、外国法人ではクアルコムが845件の出願件数で2年連続1位になった。三種類の専利証取得数において、1位になった台湾国内法人及び外国法人は、それぞれ台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC、1,053件)とアプライド・マテリアルズ(492件)であった(図1)。
(図1)2021年台湾国内法人及び外国法人の専利出願上位10位
台湾国内法人の専利出願では、台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)の出願件数は2016年から1位になり、2021年には1,950件の出願件数で78%の大幅なプラス成長となり、6年連続トップになった。昨年3位であった友達光電股份有限公司(AUO)は471件で2位に上昇した。第4位と第6位の瑞昱半導体股份有限公司(REALTEK、442件)と南亜科技股份有限公司(Nanya Technology Corporation、290件)の出願件数は、2001年以来の最高記録を更新した。台達電子工業股份有限公司(Delta Electronics、205件)も出願件数が前年比で18%増加し、2005年以降再び上位10位にランクインした。ランキングの上位100位にランクインした台湾国内法人による2021年度の三種類の専利出願件数は12,234件に達し、前年比で8%増加した。その主因は、特許出願(全体の75%を占める)が13%増加し(そのうち、企業及び研究機関が前年比でそれぞれ17%と11%増加した)、意匠の出願件数も1%増加したことにある。また、実用新案の出願件数が前年比で7%減少した主因は、学校による出願件数が20%減少したことにある。
銀行では、計6行が国内の三種類の専利出願ランキング上位100位に入り、兆豐國際商業銀行(Mega Bank)が165件の出願件数でトップになり、それに中国信託商業銀行(CTBC Bank Co., Ltd.、155件)と合作金庫商業銀行(Taiwan Cooperative Bank、144件)が続き、いずれも前年比で53%~85%増加した。また、銀行による特許出願件数では、華南商業銀行(Hua Nan Commercial Bank, Ltd.)が46件で2020年から2年連続1位になった。
学校では、計28校が国内の三種類の専利出願ランキング上位100位に入り、実用新案(163件)が出願の中心である台北城市科技大学は、170件の出願件数で2年連続トップになった。特許出願をみると、陽明大学と交通大学が2021年に合併して誕生した陽明交通大学が、135件の出願件数で台湾国内の学校の中で1位となり、成功大学(102件)、台湾大学(86件)、清華大学(86件)がそれに続いた。
研究機関では、計5つの機関が国内の三種類の専利出願ランキング上位100位にランクインした。台湾国内法人の専利出願で5位となった財団法人工業技術研究院(ITRI、404件)が、台湾国内の研究機関の中で1位となり、続いて財団法人金属工業研究発展センター(MIRDC、89件)が2位となった(図2)。
2021年度の外国法人の専利出願上位10位では、クアルコムが845件の出願件数で、前年比で17%増加して2年連続1位になった。また、特に注目に値するのは、上位10位のうち4社が半導体機器メーカーであることである。それは、2位のアプライド・マテリアルズ(739件)、5位の東京エレクトン株式会社(477件)、出願件数が過去最高を更新して初めて8位になったオランダ企業のASML(265件)及び10位のディスコ株式会社(225件)である。また、4位に上昇した韓国のテクノロジー企業であるサムスン電子(520件)は、年間成長率が98%にも達し、外国法人の専利出願上位10位で最も高かった。2021年度の外国法人の三種類の専利出願上位100位の出願件数は、14,149件に達して前年比で5%増加した。そのうち、特許出願(全体の87%を占める)は、前年比で5%増加し、実用新案と意匠はそれぞれ3%と6%増加した。
知的財産局が同日に発表した2021年度の専利出願の受理概況によると、2021年の専利出願件数は72,613件に達し、前年比で1%増加した。そのうち、特許の出願件数は、前年比で5%増加したのに対し、実用新案及び意匠の出願件数は、それぞれ10%と4%減少した(図3)。
台湾人による特許の出願件数は19,547件に達し、2014年以来最高記録を更新した。その主因は、企業による登録出願件数が6%増加し5年連続プラス成長となったことにある。これは、企業の研究開発やイノベーション能力が相変わらず高いことを示している。但し、実用新案(14,543件)と意匠(3,534件)の出願件数は、それぞれ12%と10%減少した。その主因は、企業による出願件数と個人による出願件数がそれぞれ8%~10%と16%減少したことにある。
専利出願人の国籍をみると、三種類の専利出願では、日本が13,324件で安定して外国人による出願ランキングのトップとなり、米国(7,986件)と中国(4,253件)がそれに続いた。2,388件で4位になった韓国は、年間成長率が27%に達して外国人の出願上位5位の中で最も高かった。また、専利の種類をみると、特許及び意匠の出願では、日本が1位になり、実用新案の出願では、中国がトップになった(図4)。
審査実績については、知的財産局は審査作業に全力で取り組み、積極的に時間効率を管理しており、それによって特許の平均審査終結期間は14ヶ月を維持し、審査待ち件数は5万件を維持し、企業が早く権利を取得して適時に産業配置を実行するのに役立っている(図5)。
(図5)特許出願案の平均審査終結期間及び審査待ち件数
|