台湾　知的財産局が
2019年度専利ランキング上位100位を発表

 【出典：知的財産局ウェブサイト】

台湾の経済部知的財産局は、2019年度の専利（専利とは、特許、実用新案、意匠の総称である）出願及び公告、専利証書交付統計のランキングを発表した。三種類の専利出願において、台湾国内法人では台湾積体電路製造股份有限公司（TSMC）が4度目のトップとなり、外国法人ではアリババが1位となった。三種類の専利証取得数において、台湾国内法人と外国法人で1位になったのは、それぞれ友達光電（AUO）とアプライド・マテリアルズである。また、台湾の特許出願件数は前年比6％増加し、3年連続のプラス成長となった。

2019年度の台湾国内法人の専利出願上位10位は表1（統計日：2020年1月11日）のとおりである。台湾積体電路製造股份有限公司（TSMC）の出願件数は2015年から成長し続け、2019年に初めて1,000件を超えた。宏碁股份有限公司（ACER、565件、2位）、瑞昱半導体股份有限公司（REALTEK、333件、6位）及び仁宝電脳工業股份有限公司（COMPAL、193件、9位）の出願件数はいずれも2005年以来最高を記録した。聯発科（MediaTek、356件）は出願件数が減少して5位に下がった。

台湾国内の三種類の専利出願ランキング上位100位の出願構造をみると、台湾の研究開発とイノベーションの主な推進力は企業で、出願は特許に集中しており、80％を占めていることが分かる。また、2019年の企業による特許出願と実用新案出願は、前年比でそれぞれ8％と10％増加したが、意匠出願は22％減少した（図1～図4参照）。

図1：台湾の専利出願人上位100位の業種別の特許出願状況

図2：台湾の専利出願人上位100位の業種別の実用新案出願状況

図3：台湾の専利出願人上位100位の業種別の意匠出願状況

図4：台湾の専利出願人上位100位の出願構造

銀行では、計8行が国内の三種類の専利出願ランキング上位100位に入り、専利出願件数は623件、前年比76％増加し、3年連続のプラス成長となった。そのうち、特許（207件）は前年比で120％成長した。また、特許、実用新案及び三種類の専利出願件数の全てにおいて、台湾銀行が各銀行のトップに立った（表2参照、統計日：2020年1月11日）。

学校では、計25校が国内の三種類の専利出願ランキング上位100位に入った（表3参照、統計日：2020年1月11日）。学校の出願総数でのトップは遠東科技大学で、実用新案(134件)を中心として合計183件の出願があり、特許出願（49件）も前年比96％増加して大幅に成長した。特許出願でみると、清華大学（88件）が台湾国内の学校の中で1位となり、それに交通大学（78件）、成功大学（70件）及び台湾大学（50件）が続いた。 

研究機関では、計7つの機関が国内の三種類の専利出願ランキング上位100位にランクインしたが、そのうち、特許の出願件数は前年比8%減少した（表4、図1～図4参照、統計日：2020年1月11日）。研究機関の中では、工業技術研究院が出願件数385件でトップに立ち、台湾国内法人の出願で4位となった。2位は財団法人金属工業研究発展センターで、出願件数77件であった。 

2019年の外国法人の三種類の専利出願ランキング上位100位では、特許の出願件数が全体の88%を占めて最多となった。また、2019年、特許及び意匠はそれぞれ2％、50%成長したが、実用新案は46%減少した（図5-1～図5-3参照）。

図5-1：過去5年間の外国法人上位100位の特許出願件数の推移

図5-2：過去5年間の外国法人上位100位の実用新案出願件数の推移

図5-3：過去5年間の外国法人上位100位の意匠出願件数の推移

外国法人では、アリババが850件で2012年以来最高を記録し、2017年に続き再び1位を獲得した。アプライド・マテリアルズは663件で2位に上昇し、52%の成長率は外国法人上位10位のなかで最も高かった。東芝メモリは299件で初めて外国法人上位10位に入った。外国法人上位10位のなかで、クアルコム（582件）が前年比42%減少したのを除いて、ほかはいずれも2桁成長した（表5参照、統計日：2020年1月11日）。

また、台湾積体電路製造股份有限公司（TSMC）の専利出願件数の持続的な増加に伴って、半導体機器メーカーの米アプライド・マテリアルズ、東京エレクトン株式会社（486件、4位）、オランダのASMLホールディング（250件、13位）、米ラムリサーチ ( 157件、28位)、米ケーエルエー・テンコール（128件、42位）のいずれも前年比9％～52％のプラス成長となった。