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2017年の中国特許統計データ


 

【出典:中国国家知識産権局】

 中国国家知識産権局は、2018118日に、2017年の中国特許統計データを発表した。その概要は下記のとおりである。

一、主な統計データ:

 

 

 2017年、中国特許査定件数の上位10位の企業(香港・マカオ・台湾を含まない)は下記のとおりである。

 2017年末までの、中国国内(香港・マカオ・台湾を含まない)の特許保有件数は計135.6万件であり、人口1万人当たり特許保有件数は9.8件に達した。人口1万人当たりの特許保有件数上位10位の省は下記のとおりである。

 

 国家知識産権局が受理したPCT国際特許出願の状況:

  2017年にPCT国際特許出願件数が1,000件を超えた省(区、市)は7つとなった。

 上記の7つの省・市のPCT国際特許出願件数は、中国の国内総数の9割以上を占めている。

 2017年、中国の「一帯一路」沿線諸国(中国を含まない)における特許出願公開件数は5,608件であり、前年度に比べ16.0%増加した。そのうち、インドでの出願公開件数は2,724件、ロシアでは1,354件であり、特許出願において既に一定の規模を有している。2017年の、「一帯一路」沿線諸国の中国における特許出願件数は4,319件であり、2016年に比べ16.8%増加し、中国で特許出願した国の数は41に達し、2016年に比べ4か国増えた。

2017年の中国の特許行政取締り状況は下記のとおりである。

 2017年、特許担保融資の総額は720億人民元で、前年度に比べ65%増加し、担保の項目数は4,177で、前年度に比べ60%増加した。

 2017年の中国特許復審(拒絶査定不服審判)委員会による案件処理状況は下記のとおりである。 

 

   上記の表から、2017年の中国の特許行政取締り件数は急増し、特許担保融資の金額も過去最高を記録し、復審委員会が受理した復審請求の件数も急増し、受理した無効審判請求の件数も明らかに増加しており、中国における特許出願件数が過去最高を記録しただけではなく、特許紛争事件の件数も大幅に増加し始めていることが分かる。

2017年、国家知識産権局は、2016年に推進した「放管服」(訳注:「行政簡素化と権限委譲」、「監督・管理の強化」、「サービスの最適化」の用語を省略した言い方)の改革を継続し、年間で特許手数料を累計58億人民元減免し、各種資料の提出を269.8万部削減した。また、主要産業の発展をサポートするために、『専利優先審査管理弁法』を公布した。

 このほか、特許代理人の管理に関しては、特許代理の「名義貸し」の集中取締りを実施し、更に市場秩序を規範するために、四川など12省で特許代理業界の改革試行を実施した。1年間で324の特許代理機関の設立を認可し、そのうち150の機関が改革試行政策の優遇を受けたものである。また、全国特許代理人資格試験プロセスを簡素化したことにより、受験者数が3.2万人を超え、5,094人が合格し、受験者数、合格者数ともに過去最高を記録した。2017年末現在、全国の特許代理機関は1,824社を超え、業務を行っている特許代理人は1.6万人を超えている。 

二、主な特徴

ü   中国の特許創出レベルは「安定した成長」

 2017年、中国国内の特許出願件数と査定件数は安定した成長を見せ、2016年に比べ14.2%と8.2%増加した。人口1万人当たりの特許保有件数は9.8件に達し、2016年に比べ1.8件増加した。中国国内の特許出願数と保有数においては、中国国内のものの割合がそれぞれ90.2%と67.8%に増加した。中西部の省の特許出願の成長率は、東部の省の16.8%よりも高い27.4%に達し、地域の発展はよりバランスの取れたものになっている。

ü   中国の国内企業のイノベーション主体としての地位が更に堅固に

 2017年、中国の国内特許出願数と保有数における企業の割合は、それぞれ63.3%と66.4%であり、2016年に比べ1.6%と0.9%成長した。中国国内特許出願の成長に対する企業の寄与率は73.5%に達した。中国国内企業の有効特許の5年以上の維持率は70.9%に達し、2016年に比べ3.4%増加した。

ü   中国企業の海外特許戦略能力は継続的に強化

 2017年度、100件以上のPCT国際特許出願をした中国国内企業は44社あり、2016年に比べ18社増加した。OPPO移動通信有限会社、深圳市大彊イノベーションテクノロジー有限会社などの企業が迅速に成長し、前年に比べてそれぞれ142.3%と46.9%成長した。中国は「一帯一路」沿線諸国の特許出願において、高い成長率を維持し、企業の特許戦略は絶えず強化されており、「一帯一路」における知的財産権の協力交流が成果を見せ始めている。

ü   一部の分野の特許戦略において未だ存在する外国との差

 世界知的所有権機関が区分した35の技術分野のうち、2017年に中国国内特許保有数が外国の特許出願者が保有する中国特許の保有数よりも多い分野は、2016年に比べて1分野増加して、30分野に達した。光学、医療技術、エンジン、視聴覚技術、輸送などの5分野では、外国との差は僅かしかないが、10年以上維持されている特許の保有数では、中国は29分野において外国より保有数が少ないため、中国は高付加価値のコア特許の育成に力を入れる必要がある。

 

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