知的財産案件審理法の改正
2014年5月20日の立法院の院会で知的財産案件審理法第4条、第19条、第23条及び第31条の改正、並びに同法第10条の１の追加が三読を通過した。これにより知的財産権の保護が更に拡充し、法律、制度がより完備されることになる。
この度の主な改正ポイントは以下の3つである。
一、営業秘密保護の強化
営業秘密侵害の民事事件は証拠蒐集が困難であるため、外国の立法例を参酌して、知的財産案件審理法第10の1を追加する。同条文は次のことを規定している。「当事者が営業秘密を侵害されたと主張する又は侵害を受けるおそれのある事実を既に釈明した営業秘密侵害事件において、他方が否認する場合、裁判所は期限を定めて他方に否認の理由について具体的に答弁するよう命じなければならない。他方に正当な理由が無く、期限が過ぎても答弁しない又は答弁が具体的でない場合、裁判所は事情を斟酌して当事者が既に釈明した内容は真実であると認定することができる。」
二、技術審査官の職務執行範囲の拡大
改正前の知的財産案件審理法第4条は、裁判所が必要と認めたとき、技術審査官に対し、「①事実上及び法律上の事項について、専門知識に基づき、当事者、証人及び鑑定人に対し説明又は質問をする。②案件の事情について裁判官に意見陳述をする。③証拠保全時に証拠調査に協力する。」ことを命じることができると規定している。今回の改正では、技術審査官が保全手続き又は強制執行手続きに協力できるとする規定を追加する。技術審査官の専門機能を拡大させることで、知的財産紛争を効果的に解決し、知的財産権者の権益強化が保障されることが期待される。
三、知的財産権案件の管轄変更に関する規定
知的財産裁判所組織法の規定との重複を避けるため、元の知的財産案件審理法第19条の第一審及び第二審の裁判所組成に関する、知的財産民事事件の第一審裁判に不服があり上訴又は抗告をする場合には、管轄する知的財産裁判所に対しこれを行うとする規定を削除する。また同法第7条の民事事件管轄の立法モデルを参酌して、元の同法第23条及び第31条の知的財産刑事案件及び行政訴訟事件の管轄に関する規定を改正し、本法の秘密保持命令違反の罪及び営業秘密法違反の刑事案件を知的財産刑事案件とする規定を追加する。
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知的財産案件審理法第4条、第19条、第23条改正草案対照表
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改正条文
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現行条文
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第四条
裁判所は必要があれば、技術審査官に次に掲げる職務を執行するよう命じることができる。
一、訴訟関係を明確にするために、事実上又は法律上の事項について、専門知識に基づき当事者に説明又は質問する。
二、証人又は鑑定人に直接質問する。
三、本案について裁判官に意見を陳述する。
四、証拠保全時に証拠調査に協力する。
五、保全手続き又は強制執行手続きに協力する。
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第四条
裁判所は必要があれば、技術審査官に次に掲げる職務を執行するよう命じることができる。
一、訴訟関係を明確にするために、事実上又は法律上の事項について、専門知識に基づき当事者に説明又は質問する。
二、証人又は鑑定人に直接質問する。
三、本案について裁判所に意見を陳
述する。
四、証拠保全時に証拠調査に協力する。
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第十九条
知的財産事件の第一審裁判に対し不服があり上訴又は抗告する場合は、管轄する知的財産裁判所に対しこれを行う。
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第十九条
第一審の知的財産事件は、裁判官が一人で審判を行う。
知的財産事件の第一審裁判に対し、知的財産裁判所に上訴又は抗告することができ、その審判は合議体で行う。
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第二十三条
刑法第253条から第255条、第317条、第318条、本法第35条第1項、第36条第1項の罪、或いは商標法違反、著作権法違反、営業秘密法違反、或いは公平交易法第35条第1項に関する第20条第1項及び第36条に関する第19条第5項の案件に対する起訴は、管轄する地方裁判所に対し行わなければならない。検察官の申立により簡易判決で刑に処する場合も同様とする。
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第二十三条
刑法第253条から第255条、第317条、第318条の罪、或いは商標法違反、著作権法違反、或いは公平交易法第35条第1項に関する第20条第1項及び第36条に関する第19条第5項の案件に対する起訴は、管轄する地方裁判所に対し行わなければならない。検察官の申立により簡易判決で刑に処する場合も同様とする。
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