IPニュース | 特許・実用新案・意匠

未審査の特許出願数12万件に、発明は平均2.5年待ち

世界各国の知的財産局は、殆ど案件の累積問題に直面している。台湾の知的財産局審査官の人材不足も又深刻で、目下、審査待ちの累積案件は、すでに12万件に達する。実際、こうした審査官の人材不足は以前からの問題であり、近年、外部審委員の人数も激減し、700名から80名となった。また、71日から知的財産裁判所が運用開始し、一部の内部審査委員が、技術審査官として、知的財産裁判所に転任することになり、このことにより、専利の累積案件の情況は、益々ひどくなるばかりだ。

近年の専利案件出願数は、毎年平均8万件近くに上るが、毎年、終結する案件数は約3万件で、深刻な落差を示している。現在、知的財産局の至急の審査案件は2005年に出願の特許案件で、2006年の出願案件は一部審査されているが、2007年及び2008年に提出した特許出願案件はが、依然として審査待ちである。

実務上の統計結果が明示するように、一件の発明特許審査案件は、平均2.5年待って、ようやく審査に至る。通信、光電気、化学工業類の専利であれば、案件数が多く、案件の技術内容も複雑で、審査する人材が多数必要とされ、この種の出願案件を審査する速度が、より一層遅くなることになる。なお、機械類案件の審査速度は、比較的高い。

知的財産局の王美花局長は、「目下、局内には270名近くの審査官を有するが、出願案件数の増加速度には、実際のところ追いつかない。少なくとも230名の審査官を増員することで、なんとか新旧案件を迅速に消化することが可能である見通しである。専利審査の人材を探すのは困難で、審査官の待遇は公務員の6職級に相当するが、プレッシャーや責任が一般の公務員より重大である。特に、通信、半導体、電子、電気類分野では、こうした業界での人材の需要も高く、その類の審査官の流動率も、特別高い。また、これら分野の出願案件も最も多いため、審査速度はなかなか進まない。」と指摘した。

山積みの案件に直面し、知的財産局は、審査手順をできるだけ省略することで対応し、同一案件が国外専利で既に専利を取得していれば、出願人は、関連する証拠文献を提出し、国内の審査時間を削減することができる(国外のPPH特許審査ハイウエイに類似する)。人材不足については、審査の品質を守る為に、外部審査官を増員することは考慮せず、できる限り内部審査委員を増加するようにする。

 

Top  
 
 
  11th F1., 148 Songjiang Rd., Taipei, Taiwan | Tel : 886-2-2571-0150 | Fax : 886-2-2562-9103 | Email : info@tsailee.com.tw
© 2011 TSAI, LEE & CHEN CO LTD All Rights Reserved
   Web Design by Deep-White
Best viewed with IE8.0 or higher with 1024*768 resolution