最高法院が初めて独占的
ライセンスと独家ライセンスとの違いを表明
【裁判番号】 106,台上,31
【裁 判 日】 1060105
【裁判事由】 著作権法違反
上記上訴人は著作権法違反事件で、知的財産法院による中華民国104(2015)年9月24日第二審判決(104年度刑智上訴字第27号、起訴番号:台湾新北地方法院検察署101(2012)年度偵字第28926号、102(2013)年偵字第949、851、852、20192号)を不服として上訴を提起した。
【判決のポイント】
1. 著作権法第37条第1項の前段規定には、著作権者は他人に著作物の利用を許諾することができるとある。著作権の利用許諾には、独占的ライセンスと非独占的ライセンスがある。非独占的ライセンスは、著作権者が同一の内容の著作権について複数人に許諾することができ、制限を受けず、且つ著作権者自身や許諾された第三者による同一の権利の利用を禁止しない。独占的ライセンスとは、独占的な利用許諾であり、著作権者は同一の権利内容の利用について第三者に許諾することができないだけではなく、著作権者自身も当該権利を行使することができない。被許諾者は契約の約定により、当該著作権を行使する独占的権利を取得する。
2. 独占的ライセンスであるかどうかは、当事者間の約定による。約定が不明な場合は、独占的ライセンスを約定しなかったものと推定する(同項後段の規定参照)。すなわち、非独占的ライセンスである。
3. また、独家ライセンス(sole license)は、独占的ライセンスではなく、著作権者が他人に許諾した後、同時に第三者に許諾してはならないという義務を負うのみで、著作権者自身の権利行使は排除されず、独占的ライセンスが著作権者に対し許諾の範囲内での第三者への許諾だけではなく、自身の権利行使も認めないのとは異なる。 |