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公平交易法大幅改正

2015122日、公平交易法改正案が立法院の三読会を通過した。この度の法改正は過去最大で、影響が最も大きい改正となり、実質的な改正割合は7割にも達する。これにより台湾の市場競争における法制度が更に整備され、企業経営や競争環境にとってプラスとなる。改正のポイントは以下のとおり。

 

一、結合の規定について

(一)関連企業(兄弟会社を含む)の持株と売上高を併せて計算することを明確に定める。

(二)自然人又は団体が支配基準に達した株を保有することを結合規範に入れる場合、公平交易委員会に届け出なければならない。

(三)公平交易委員会は業種別に販売価格の公告基準を定めることができる。

 

二、共同行為の規定について

(一)推定合意条項の追加

改正公平交易法第14条第1項及び第3項の規定を参照すると、共同行為とは、競争関係を有する生産販売の同一段階にある事業者が、契約、協定などの方法によって商品又は役務の価格、数量、技術を合意決定するなど相互に事業活動を拘束する行為をもって、生産、商品取引又は役務の需要と供給といった市場機能に影響を与えることをいう。主務官庁が企業の共同行為の直接的な証拠を入手するのが困難になるのを避けるため、改正法では、「推定合意条項」を追加した。今後、裁判所は、市場の状況、商品又は役務の特性、コスト及び利潤の考慮、事業行為の経済的合理性などを根拠として、共同行為の合意が存在するか否かを判断することができる。

(二)共同行為の例外許可に関する概括的条項の追加

現代の経済活動の多様性を鑑み、不合理な規制現象が発生するのを避けるために、改正公平交易法第15条第1項第8号の規定に基づき、例えば、産業の発展促進、技術革新又は経営効率のために必要な共同行為のような経済全体及び公共の利益に有益な共同行為であれば、特定の形態に限らず、公平交易委員会に申請することができる。

(三)減免条項の追加

共同行為に参加した事業者が自発的に主務官庁に密告し且つ調査に協力した場合、その行政責任を軽減又は免除することができる。

 

三、調査の権限について

(一)調査中止制度の追加

この制度はドイツに倣ったもので、事業者に違法の疑いがあり調査された場合、主務官庁の規定した期間内に、具体的な停止措置を講じると共に違法行為を改善することに承諾すれば、主務官庁は途中で調査を一時停止することができる。これにより市場の秩序を乱す行為を迅速に排除することが可能となる。

 

四、罰則について

(一)異なる行為の市場競争秩序への危害の程度を明確化するために、改正法では、違法行為の類型に応じて、異なる罰金額を定めた。また、独占、共同行為、市場地位の濫用、転売価格の制限などの違法行為の市場競争に対する影響の大きさを考慮し、競争制限行為の罰則額を現行の2倍に引き上げるとともに、処分権の時効を通常の3年から5年へ延長した。

(二)同業組合又はその他事業団体の違法行為に対しては、組合又は団体を処分するほかに、実際に参加したメンバーも併せて処罰することで、個別事業者の責任逃れを防ぐことができる。

(三)競争制限行為の罰金額の引き上げ

事業者に共同行為がある、又は競争を制限する虞がある場合、期間を定めてその行為の停止、改善又は必要な是正措置を講じることを命じるとともに、新台湾ドル(以下、同じ)10万元以上5千万元以下の罰金に処することができる。期間が満了してもその行為を停止、改善せず、必要な是正措置を講じなかった場合、引き続き期間を定めてその行為の停止、改善又は必要な是正措置を講じることを命じるとともに、その行為を停止、改善し又は必要な是正措置を講じるまで、毎回20万元以上1億元以下の罰金に処する。

 

五、訴願手続免除条項の追加

今後、公平交易委員会が公平交易法に基づいてした処分に対しては、行政訴訟手続きを直接適用して、司法機関に救済を提起する。

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