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台湾知財裁判所(TIPC)はUCCブランドが既に高度著名であると認める

 日商・UCCホールディングス株式会社(以下、日商UCCと称する)は1933年に設立し、歴史悠久なコーヒーメーカーである。1969年世界に先駆けて一番最初の缶入りコーヒーを世に出され、同社の造ったコーヒーは全世界に販売されている。1974年より日商UCCは陸続として台湾で「UCC及び図形」及び文字商標「UCC」等商標登録12件を取得している。その登録の詳細は下記の通り。
 
 一方、台湾商・彬富股份有限公司(以下、「彬富」と称する)は19971127日に国際分類12類の自転車、自転車のシートパット、自転車のハンドル、三輪車、自転車のホイール、ギャー、電動自転車等商品を指定して登録を出願し、第1374273号「ucc及び図」商標登録を取得している。
[事実経過]
1. 「彬富」公司の上記商標出願が許可され、登録されたあと、日商UCCはその商標登録が改正前商標法第23条第1項第121314号の規定に違反しているとして、これに対し異議申立を提起した。台湾知財局(TIPO)は審査したあと、上記商標法第23条第1項第12号の規定を構成すると認めて、上記「彬富」公司の商標登録を取消すと決定した。
2. 「彬富」公司は不服で訴願(不服申し立て)を提起した。経済部は1001222日経訴字第9906046190号決定をもって第12号の規定に違反せずに、異議申立成立の決定を差戻し並びに別に適法な処分をせよと処分された。
3.日商UCCは不服で、台湾知財裁判所(TIPC)に行政訴訟を提起した。台湾知財裁判所は100年度行商訴字第22号行政判決をもって日商UCCの行政訴訟を却下した。日商UCCは不服で、最高行政裁判所へ上訴を提起した。最高行政裁判所は審理した結果、101年度判字第48号判決をもって原台湾知財裁判所の行政訴訟却下判決を破棄し、台湾知財裁判所(TIPC)に差戻判決を言い渡された。
[本案の争点]
1.日商UCCの「UCC」ブランドは著名商標であるか否か。
2.若し著名商標である場合、「彬富」公司の上記登録商標は日商UCCブランドと類似を構成するか否か。日商UCCUCCブランドの識別性又は信用や名誉を減損する虞があるかないか。
[判決理由の摘要]
1.両方の商標は高度の類似を構成する。
2.わが国民ではコーヒーを消費する人が極めて普遍的で、コーヒーの関連消費者が社会各階層の人間に普及されている。一方、自転車等商品の関連消費者が特定の専業人士に属さない。両商標の関連消費者が高度に重なっており、その指定商品は共に日常接触できる商品であるので、混同誤認を発生する虞がある。
3.日商UCCの「UCC」ブランドは著名商標であり、多くの国で商標登記をされている。そうして大量的使用証拠がある。1985年に味全公司と技術提携をし、合弁会社優仕公司を設立した。台湾においてUCCコーヒーのチェンストアを設けている。それから台湾知財局並びに司法機関から著名商標として認められている。
4. 「彬富」公司の「UCC」の使用は日商UCCの「UCC」ブランドの識別性を減損する。
[結論]

知財裁判所で審理の結果、101年度行商更(一)字第1号判決をもって経済部の訴願決定を取消した。つまり、知財裁判所(TIPC)は知的財産局(TIPO)の行った「彬富」公司のUCC商標登録を取り消した行政処分を認めた。この訴願決定取消の判決に対して、彬富公司は不服である場合、なお最高行政裁判所へ上訴を提起することができる。

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