IPニュース | 知的財産裁判所

営業秘密侵害 最高5年の懲役刑に

台湾友達光電と中国TCLグループの華星光電との間で再び産業スパイ争議が勃発した。友達光電が201111月に行った内部調査から、従業員が中国メーカーに秘密漏洩した疑いがあることが発覚し、既に市調査処に通報した。しかし、台湾には産業スパイ法がなく、業務上で知り得た工業・商業の秘密を漏洩した罪(刑法第317条)があるのみで、秘密漏洩により蒙った損害と比べても、最高でも一年以下の懲役刑の罰則しかなく、犯罪を予防するのに十分であるとは言えず、企業の営業秘密を保障することができない。
 
退職した元従業員が在籍していた会社の営業秘密を窃取、盗用する、又は流出させるという深刻な事件の度重なる発生で、産業の重要な研究成果が侵害され、産業の公正な競争に深刻な影響を与えてしまう事態を避けるために、行政院で20121025日に、営業秘密侵害行為に対し刑事責任を追加した営業秘密法改正草案が可決された。この度の改正法の主な要点は以下の4つである。
 
1.刑事責任の追加と犯罪の構成要件の明確化。
2.国外流出に対する加重処罰:国外で使用する目的で不法に営業秘密を窃取した場合、法定刑として6ヶ月以上5年以下の懲役、最高5千万台湾ドルの罰金を併科。
3.両罰規定:行為者に対しては、法定刑として5年以下の懲役、最高1千万台湾ドルの罰金を併科。使用者もしくは代理行為を依頼した本人に対しては、最高1千万台湾ドルの罰金を科する。
4.訴訟を円滑に進めるために、被告は具体的に挙証、答弁をする義務がある。
 
加重処罰を規定することによる類似の重大な経済犯罪に対する抑止効果が期待されている。

 

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