IPニュース | 知的財産裁判所

知的財産局 動植物特許の開放を再検討

経済部知的財産局は201192日「専利法(特許法)改正草案は20091211日に行政院を介して、立法院に審議を要請したが、各界の植物特許開放に対する懸念から、今だ二読の手続きに進んでいない。植物特許の争議が全体の法改正に影響を及ぼすのを避けるため、行政院農業委員会に国内産業の現状及び動植物特許の開放がもたらす衝撃を考慮し、現段階で動植物特許の開放を推進する政策の合理性と必要性を再検討するよう要請した。」と述べた。

動植物特許開放を主張する知的財産局は次のように意見を表明した。「専利法改正草案において、動植物特許に直接関連する条文は7条しかなく、しかも既に各国の規定を参考にして、それに対応する規定、つまり動植物特許の権利消尽、個人の非営利使用の免責、育種家の研究免責、農家が自家用に種を残すことに対する免責、強制ライセンス及びクロスライセンスなどの規定を明確に定め、できるかぎり国内の種苗業者及び農家への衝撃を少なくした。」

一方、動植物特許開放に反対の意見は次の通りである。「現在、植物発明は、品種権ですでに保護できている。植物特許の開放は多国籍企業に特許権を利用して優良な植物の性質を独占させてしまう可能性があり、国内の中小種苗会社が新品種を開発し販売することを妨げ、また農家が自家用に種を残す手段として育苗センターで栽培育成することが認められなくなり、台湾の稲作の現状と合わない。これについては、オランダの状況が教訓となる。もう一つ強力で説得力のある理由としては、一旦動植物特許が開放されれば、その遺伝子は商業化の対象となり、交互に育種された結果、自然なものでない動植物が生態系に普遍的に溢れることになる。この結果が、全人類延いては全地球にどのような影響を及ぼすかは予知できない。動植物特許の開放は永遠に後戻りのできない片道チケットのようなものと言え、慎重の上にも慎重を重ねる必要がある。例えば、遺伝子組み換えの大豆食品は経済収益が比較的高いということで、既にひっそりと市場を攻略しているが、この種の食品の摂取が人類や生態系にどの様な影響を与えるのか、今も依然として不明である。かといって、遺伝子組み換え大豆食品を市場から駆逐することは、すでに不可能なことである。」

単に法律の角度からすると、知的財産局は動植物特許の開放を主張し、世界の先進国と統合しようとしているが、現在確かに品種権と特許権の両方併行して植物発明を保護する制度を採っている国もあり、植物特許開放は企業に品種権以外の別の選択肢を提供することができるとも考えられる。しかしながら、生態環境を長い目で考えると、動植物特許の開放が一体どんな影響をもたらすのか、注意深く考えなければならず、安易に結論を出してはならない。従って、動植物特許を開放するか否か再検討することは必要なことであり、賛同に値するものである。

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