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最高行政裁判所、「DFC」と「KFC」は近似しないと判決

最高行政裁判所は、20081128日に2008年判字第1073号判決で、休閒小站株式会社(以下、「休閒小站」と称す)の第190785号「DFCおよびその図案」の商標と米企業ケンタッキーフライドチキン社(以下「ケンタッキー」と称す)の第179695号「KFC」商標は近似を構成しないとし、ケンタッキーの敗訴が確定した。

「休閒小站」は、2002年に「DFCおよびその図案」を知的財産局に商標登録出願し、2003121日公告され、専用期間は20131130日までとなった。しかし、ケンタッキーは、「DFCおよびその図案」と自己の「KFC」商標が近似していると考え、該商標に異議を提起し、訴願を経て、行政訴訟を提起した。
ケンタッキーは、以下のように主張している。「DFC」と「KFC」は、どちらも英文字三字で形成され、「FC」の字は配列も全く同一で、明らかに相似の印象を与え、また、どちらも飲食店、レストランなどのサービスを提供していて、一般に通常の知識と経験を持つ消費者に極めて容易に混同誤認をさせることから、近似を構成する商標である。また、「ケンタッキー」は、「KFC」はファーストフード業界のシンボルとして著名商標に属し、早くから国内外で広く流通している。

即ち、「休閒小站」は、故意に「KFC」と一字違いの「DFC」を商標出願し、明らかに恩恵を被ろうとした疑いがあり、又、「KFC」の著名商標の識別性を減損した虞がある。また、「休閒小站」の広告宣伝文が、「ケンタッキー」から盗用し、より安価であると標榜しただけでなく、同時に、その他の知名なピザ店の「HOTでご家庭に」を盗用して「熱到家」、「哈到家」、「樂到家」の商標を使用していて、それら商標が取消されている。
それに対し、「休閒小站」は、以下のように抗弁している。「DFC」は、外国語の文字以外にも、かわいいコックの鶏のデザインを併用し、全体として人に与える印象としては区別がつき、通常の知識や経験を持つ消費者が、購買時に通常の注意を払えば、混同誤認を生む虞はない。その他の広告文が商標盗用で取消されたかどうかは、本案の商標が近似を構成するかどうかとは別の問題であって、混同して論議すべきではない。

最高行政裁判所の最終判決は以下の通りである。「DFC」と「KFC」の二つの商標は、初めの文字が、外観や、音読上、また文字列全体から、消費者に与えられた印象に重要な影響を有し、近似かどうか判断する際は、比較的高い比重で考慮しなければならない。言い換えれば、係争案件の二商標は、「D」と「K」で始まる文字の外観および読み方は異なり、また、二商標の全体のデザインが人に与える印象も差異があるので、一般人も混同誤認しないだろう。よって、台北高等行政裁判所が二年前に下した判決がケンタッキーの敗訴であったことは、正しかったと結論する。その他の広告宣伝文が盗用に係るかどうかとは、本案は無関係であり、商標の近似であるかどうかの判断に影響しない。

特に、Fried Chicken を短縮した字は、明らかに誰でも思いつく文字であり、よって、当然商標デザイン中にこの二文字があったからと言って他人が盗用した疑いがあるとは言えない。

 

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