IPニュース | 知的財産裁判所

「NOKIA」と「nocria」の近似、富士通の商標が取消し

知的財産裁判所は、正式に運行して以来、20081126日に、初めての案件として、知的財産局が許可した(査定した)商標を取り下げる判決を下した。それは即ち、2008年の行商訴字第00023号の判決で、「NOKIA」と「nocria」が近似を構成していると認めた。

フィンランドの企業ノキアの商標「NOKIA」と日系企業富士通の商標「nocria」は、デザインに全て相同する文字「NO」と「IA」を始めと終わりに連ねており、「cr」と「K」の違いはあるが、発音方面で、係争商標が、「cr」により無声音かつ巻き舌音であり、異議申し立ての証拠としての先行商標には、「K」は無声音だけで、これらの発音は異なっている。よって、二つの商標が異なるとき、異なる場所で、隔離して全体を観察し発音してみると、外観および発音上の近似の程度は比較的低い。

商標の指定商品については、フィンランドのノキア社の「NOKIA」は、テレビ、ラジオ、レコーダ、通信器材への使用を指定しており、日系富士通社の「nocria」は、エアコン、冷房機器、空気循環機器、通風機器等の商品に使用を指定していて、それらの商品は近似していない。しかし、「NOKIA」は別に「インターネット設備および装置(例えば携帯電話の基地台)の乾燥、通風、空調設備、冷却装置、加熱処理装置、通風換気、冷房装置」等の商品にも指定しており、ノキア社の多角的経営企画が十分に証明できる。また、一般社会の通念および市場ビジネスの情況により、これらは、商品の原料、用途、功能、生産者等の要素上、同一または関連するところがあり、同一または高度に類似する冷房空調類の商品に属する。

富士通の「nocria」の商標は、2003年に日本で商標登録を行い、「NOKIA」は1988年に日本で登録したが、両者は日本で長年並存している。「nocria」は既にタイ、オーストラリア、スイス、ノルウェー、ヨーロッパ等でも商標登録し、「nocria」も同じく既に使用され消費者にも知られていると、富士通は主張している。

フィンランドのノキアの主張としては、「nocria」の商標は創造性がなく、airconditionerの前半部分の英字を、単に逆にしてnocriaとしただけで、識別性が希薄で、外観がNOKIAに似ていて、消費者に容易に混同誤認を起こさせる、と考えている。

知的財産裁判所が審理した結果、関連する証拠が表すように、二つの商標は、日本で登録され併存しているが、台湾の消費者が「nocria」の商標に最初に接触を始めたのは、20056月であり、即ち、「nocria」の商標が台湾で査定された2005216日の時点では、二つの商標が併存し使用されているという事実はなかった、と判決された。

NOKIA」および「nocria」は、商標のデザインの近似程度は低いが、使用を指定している冷房空調類の商品は高度に類似していて、ノキアの多角経営を総合的に考慮すると、消費者が二つの商標が表彰する商品の来源が同一、または同一ではないが関連するものであると誤認する、もしくは、二者の間に関係企業であるか、授権の関係、加盟関係またはその他の類似関係が存在する、または混同、誤認を生む虞がある可能性が極めて高い。よって「nocria」の商標登録を撤回すべきと判決された。

 

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