2007年3月、「知的財産裁判所組織法」が通過した後、知的財産裁判所を設置する法の根拠が与えられ、7月1日から、知的財産裁判所も正式に運営開始する。 同日発効する「知的財産案件審理法」は、伝統的な裁判所の知財案件の審査手順を改正し、将来、知財裁判所の裁判官が、自ら専利の有効性を判断できるとし、また、技術審査官の協力の下、技術に関連する専門知識を補強し、案件審理を促進することが可能である。
現行法の規定によると、普通裁判所(地方裁判所)が知的財産の侵害案件を審理する場合、専利の有効性の争点に遭遇したとき、審判を停止し、行政訴訟の結果が出るのを待ってから続行するので、知的財産権の案件を審理する日程が延期され、知的財産案件の審理手順は、知的財産権を、即刻且つ有効に保持できないと常に批判されていた。
有効、且つ迅速に知的財産争議を解決するため、知的財産案件審理法には技術専門家が訴訟に参与し、証拠収集手順を強化し、営業秘密保持命令制度を引用し、知的財産行政訴訟で新証拠提出に関する規定など新制度を導入する。そのうち、最も重要なのは、民事、刑事訴訟中、専利権が有効か無効かの主張および抗弁に関して、裁判所自らにより判断することである。
知的財産裁判所は、民事、刑事及び行政訴訟の三種の訴訟を、単一の裁判所に集結して審理することにより、目下の三種の訴訟制度が分岐して進行する訴訟の遅滞問題を改善する。知的財産案件審理法第16条の規定により、知的財産裁判所は、自ら専利の有効性を判断することができ、多くの手順の反復時間を節減することができる。
「知的財産裁判所組織法」の第3条には、知的財産裁判所の管轄範囲を規定しその管轄範囲が、知的財産争議に係る民事訴訟案件の第一審及び第二審、刑事訴訟案件の第二審及び行政訴訟案件の 第一審を含む。知的財産争議に係る民事、刑事及び行政訴訟の審級および管轄裁判所の一覧表(対照表)は、以下のとおり。
訴訟性質
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第一審
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第二審
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第三審
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民事
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智慧財產法院
(獨任審理)
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智慧財產法院
(合議審理)
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最高法院
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刑事
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地方法院
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智慧財產法院
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最高法院
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行政
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智慧財產法院
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最高行政法院
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