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UniRAMが台積電を権利侵害で控訴、賠償金3,050万米ドルの判決

米国企業UniRAMが同社の嵌め込み式メモリに関する企業機密を、台積電が不当に使用したとして控訴した件で、去る9月26日、サンフランシスコ連邦地方裁判所は、この不当行為により、賠償金として3,050万アメリカドルを支払うよう台積電(TSMC)に命じる判決を下した。台積電は、続けて上訴する意向を既に表明している。

UniRAM社は、1988年創立、米国カリフォルニアに本社を置き、ICデザインのサービスおよび高機能メモリ(DRAM)の解決手段のライセンスの提供を主な事業としている。事業の特徴は、米国市場のMoSysまたは台湾の力旺に類似しているが、MoSysは主にEDRAM1T Embedded DRAM)の特許を提供し、力旺は、組み込み式フラッシュメモリ(Embedded Flash)を主としている。UniRAMは、未だ上場しておらず、同社の営業、運営は大規模ではない。 

近年のハイレベル、グラフィックチップ(ビデオチップ)内蔵DRAM部品は、目覚しい勢いで伸びており、台積電も、組み込み式フラッシュメモリの製造工程の研究開発に、資金と人員を注ぎこんでいる。2007年3月にNVIDIAとの合同で、65ナノメートルの組み込み式メモリを完成させ、8月には再度、90ナノメートル組み込み式DRAMの製造工程がマイクロソフト社のXBOX360に採用されることになった。しかし、先日UniRAMが、同社の組み込み式EDRAM1T Embedded DRAM)のデザインにかかる営業機密を台積電が盗用したとの声明を発表、サンフランシスコ連邦裁判所に告訴を提出し、2週にわたる裁判の結果、裁判所は、台積電に賠償金として3,050万米ドルを支払う判定を言い渡した。

台積電は、2007年上半期に流動資金一千億台湾ドルを所持しており、この判決による賠償金が同社に与える影響には限りがあるが、より重要な点として、同社は、今まで一途に知的財産権を最高標準で尊重してきたため、今回の件での陪審団の判決は不的確であるとし、今後上訴を提起し、同社の権益を保護する姿勢を表した。

 

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