IPニュース | 知的財産裁判所

司法院が知的財産裁判所の成立に合わせ関連法令措置を計画

知的財産裁判所設置にあたり、司法院は昨今、積極的に会議を招集し、各項関係法令措置について検討した。重要点を以下に挙げる。

一、「専利行政訴訟事件諮問グループ」成立
裁判所の専利に関する行政訴訟事件の審判能力、効果を向上する為、司法院は、「専利行政訴訟事件諮問グループ」を設置し、知的財産局が推薦する「情報、通信」「電子、光電子」「製造、システム」「材料、ナノテクノロジー」「バイオテクノロジー、医薬」等の分野における専門家が担当する諮問委員を招集し、彼らは、裁判官に、これら分野の専門的問題を分析解釈する際の援助、協力、また、必要な技術的協力を提供する。
 専利権はその性質が伝統財産権とは異なり、保護面の向上においても、伝統的な訴訟とは差異があり、専利案件の審理では、一般専利法の理論や実務以外に、その他の領域の専業知識や技術を参考にする必要がある。例えば、バイオテクノロジーの案件は、専利権を侵害するかどうかの判断において、裁判官は、専利権侵害の要件を理解する必要がある以外に、実際のバイオテクノロジーにおける技術内容についても知識を持たなければ判断を下すことができない。よって、事実認定において、一般的に専利訴訟は伝統的訴訟に比べ、複雑且つ困難であり、専業分野の諮問グループを組織し、裁判官に協力援助する必要がある。

二、知的財産案件量刑に関する参考標準を議論
知的財産裁判所の成立にあたり、司法院刑事廳は、知的財産案件の量刑に関する参考標準について積極的に議論し、知的財産裁判所成立の際、同時に実施ができるよう望んでいる。また同様に、司法院上層会議において、行政訴訟及び懲戒廳は、各行政裁判所から裁判官に前述の「専利行政訴訟事件諮問グループ」の効用を活用するよう勧める書簡を送るよう命じられた。

三、知的財産案件審理細則についての議論
司法院は、知的財産裁判所が成立後順調に運営するように、すでに各項目に相関する法規について研究、検討を進めている。その内、知的財産案件審理法第38条により授権された審理細則に関して、司法院はすでに行政訴訟及び懲戒廳と共に民事廷、刑事廷、公平取引委員会、知的財産局代表、台北高等行政裁判所知的財産専門朝廷の審判長、裁判官、および実務界の専門家が共に、知的財産案件審理細則研究委員会を組成し、研究、議論を重ねるよう要請している。「知的財産権訴訟範囲」「技術審査官の執行職務準則」「証拠収集及び営業秘密にかかる訴訟上の処理」「民事、刑事訴訟中における権利の有効性抗弁の処理」等の議題に関し、討論を進め結論を出し、知的財産案件審理法第33条に規定されている知的財産行政訴訟に関する新証拠提出の手続き、及び知的財産権案件分配原則の二つの議題について検討後、直ちに審理細則の初稿条文を整理し完成させる。

四、「裁判所による秘密保持命令作業要点」初稿を完成
知的財産裁判所組織法、知的財産案件審理法の立法院通過に伴い、知的財産裁判所のソフト面と言える内容も同様に構築されてきており、「裁判所による秘密保持命令作業の要点」の草案内容について討論を既に完了し、法制度の成立作業を迅速に進めており、知的財産裁判所成立後には、順調に案件審理作業が進行するであろう。

「裁判所における秘密保持命令案件の作業要点」の草案は、知的財産案件審理法における特別規定の秘密保持命令制度に関する文書資料ファイルについて、関連する担当員がするべき機密保持措置を規定し、以下に重要点を挙げる。

1.
営業秘密に関わる文書は、法廷上において提出されたもの以外は、提出者は係員の面前で、文書を完全に封印し、もし異状があれば、その事を明記しなければならない。つまり、受け渡された係員は、申請状を受け取った後、開封することはできない。資料分類保管課の室員に引き渡し、受け渡しのサインをしなければならない。
2.
秘密保持命令が下された案件は、専用の封筒を使用して密封し、独立案件として、本案の訴訟または証拠保全事件の担当部門に分配し処理する。
3.
秘密保持命令資料の保存に関しては、機関長が指名した専業責任者が保管し、且つ保管箱に密閉し錠をかけて保存すること。
4.
秘密保持命令がされた事件の法廷録音およびコンピュータによる筆録はバックアップを作成し、証拠物件用袋に保管し、書記官によるサインと日付を記入し、原筆録および録音は法廷が完了次第、その場で削除すること。営業秘密文献を返却するときは、書記官は書面記録を作る必要があり、それを申請者に渡しその場でサインをさせ返却させる。
5.
同一の裁判所または他の裁判所が秘密保持命令文献を借用するには、書類借用表に記入、または書面により申請せねばならず、裁判官の許可を得た後閲覧することが出来る。文献の閲覧及び返却の手順については、すべて書記官自ら持ち運び、また保険箱から出し入れを行うこと。
6.
秘密保持命令を受けた者が、秘密保持命令がされた事件の文書資料を閲覧するとき、書記官が自ら、裁判官に閲覧、抄録の範囲を確認してもらうよう計らい、また、秘密保持命令を受けていない者が文書資料の閲覧を望む場合は、知的財産案件審理法第5条の規定による手順によって、書記官が手続きを行うこと。
7.
秘密保持命令がされた事件が関わる裁判の書類を補正するときは、書記官自ら行い、印鑑を押し、それを監視する係りの者はその内容を閲覧してはいけない。
8.
秘密保持命令がされた事件に関連する営業秘密の文書ファイルを返却するとき、係員は返却専用封書を使用し、返却日を記入、サインし、文書をもとの管理場所に戻す。ファイルの管理員は、封書上の記載事項を確認しなければならず、開封してはならない、又、封書上の記載が完全でないものは返送し、補正させること。

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