DERM 3COMPLEX商標出願の拒絶査定に不服する行政訴訟は最高行政法院の棄却決定で確定
アメリカのメンソレータム（The Mentholatum Company, Inc.）社はDERM 3 COMPLEX文字商標を台湾知財局へ登録出願し、出願番号は10002329号で、識別性がないと認められて拒絶査定を受けた。
第3類の洗たく漂白剤及びその他洗たく剤、日よけ化粧品等数十種の化粧品を指定している。
台湾知財局は審査した結果、次のように認めている。本件文字商標「DERM 3 COMPLEX」について、添付された商品の宣伝資料を見れば、確かに肌3単位複合物の意味を隠かに含んでいる。多くの効果で肌を活性化し、独自の処方DERM 3 COMPLEXが肌を活性化する因数、成分及び効用を有し、例えば「全面的防護：小麦の種のエキスが外の環境の傷害を防ぎ、肌の老化を予防できる」、「湿度を保ち修復する。ヒアルロン酸の湿度保持成分を添加し、乾燥、暗くて鈍い、疲れなど多くの肌の問題を解決し、肌の修復能力を高める、及び肌の弾力を醒ます：Q10弾力因素が肌の健康光沢弾力を維持する」ことを説明している。DERM 3 COMPLEXを商標として「洗たく用漂白剤及びその他洗たくもの製剤、清潔剤、肌の防護製剤、日避け製剤、日避け化粧水…」等商品を指定していることは、指定商品の成分、効用の説明であり、上記条文にいう登録できない事情があるため、商標法第23条第1項第2号及び第24条第1項の規定により、拒絶しなければならない。
簡言すれば、知財局ではメンソレータム社の「DERM 3 COMPLEX」商標には、肌3単位複合物の意味を隠かに含めているため、これを商標とした場合、たんに指定商品又は指定役務の品質、用途、原料、産地或しくは関連する特徴を敘述するのみであって、商標の識別性を有さないので、法により登録することができない。
その次、出願人米国メンソレータム（The Mentholatum Company, Inc.）社の提出された商品宣伝資料により、その文字の使用は通常商標表示の態様ではなく、資料の中既に長期的に広汎に我が国で関連商品を販売されている具体的事実証拠にも欠けている。本件商標は既に出願人が長期的に使用し、取引上既に商標のソースを表示する標識になり、かつ、これをもって他人の商品と区別でき、そして出願人のウエブサイドを検索した後、競争する同業者が係争出願商標を使用したことを発見しなかったため、当該商標は未だに後天的識別性を取得していない。従って知財局は発信文号（101）知商20156字第10180234900号第0338574号処分書を以って拒絶査定をした。
メンソレータム社は拒絶査定に不服して訴願を提起していたが却下された。訴願却下の決定に不服して行政訴訟を提起した。知的財産法院が審理した後、101年度行商訴字第152号判決でもって、メンソレータム社の訴えを却下する決定を下した。その判決の理由は下記の通り。
1. DERM 3 COMPLEX商標は商品成分の説明であり、現行商標法第29条第1項第1号の規定により、自ずと登録できない。
2. DERM 3 COMPLEXは商品の成分又は効用の説明であり、商品の関連消費者をして指定商品に関する説明文字であると認めさせやすく、商品の関連消費者をしてそれが商品を表示する標識であることを認識させること、かつ、もって他人の商品と区別させることもできないので、識別性を具さない。
3. DERM 3 COMPLEX商標に添付された関連証拠では、第二層の意義（Secondary meaning）を有することを証明することができない。かつ、当該商標は暗示的な標章（Suggestive mark）でもない。
4. DERM 3 COMPLEX商標はホンコン、マカオ、シンガポールで登録を許可されているが、商標属地主義及び独立保護の原則によれば、本件商標も登録を許すべき根拠にはならない。
この知財法院の却下判決に不服してメンソレータム（The Mentholatum Company, Inc.）社はまた上訴を提起して、最高行政法院は102年度裁字第600号の決定でメンソレータム（The Mentholatum Company, Inc.）社の上訴を棄却し、全案がこれで確定になった。 |