事務所情報 | 出版物品 | 2010年6月
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知的財産局は未登録の著名商標の保護規定を検討

知的財産局は去る39日にこのようにコメントをしている。先般公正取引委員会で公正取引法第2条第1項の中、「模倣行為の差し止め」に関する規定を削除する提案の動きがあることについて権利者の補充的救済のチャンスを逃がしてしまうおそれが高いと反対の意を表している。公正取引委員会と学者・専門家を集めて討議した後、多くの学者・専門家が上記規定を留保すべくと認め、公正取引法の改正時に留保意見を重じるよう願っている。

知的財産局は更に説明をしている。商標法第2条の規定は「商標登録主義」を採っている。登録を受けていない著名商標に対し、公正取引委員会は一昔前外国の立法例を倣って公正取引法第20条第1項の各号(計三号)を定めて模倣かつ公正競争を妨げる行為を禁止しようとしている。そうして、各号の規定は共に「登録をしている」及び「登録を受けていない」著名商標を含めている。若しいずれの号の規定に違反すれば、同法第35条第1項の規定により、中央主務官庁が期限を定めてその行為の停止、改善又は必要な是正措置を命じたにもかかわらず、期限を超えてその行為の停止、改善をせず、又は必要な是正措置を講じず、又は停止した後に再び同一若しくは類似の違反行為をしたときは、行為者に対して3年以下の懲役、拘留に処し、又は新台湾ドル(以下同じ)1億元以下の罰金を科し、又はこれを併科する。これに対し、商標法が商標権侵害に対する処罰については商標法第63条第1項の規定によれば、単に民法第216条の規定によるとか、商標権の侵害行為によって得た利益とか、又は押収された商標権を侵害した商品の小売りの単価の500倍から1500倍までの金額の三者択一で損害の賠償額を計算するとなっている。

さらに、公正取引法第20条第1項と商標法第63条第1項の規定を比較して行為者の負うべき責任は明らかにアンバランスで、実務上公正取引法への適用を保守的に片寄ってしまっている。しかし、商標法第63条第1項各号に規定する損害賠償金額の計算方法は比較的に明瞭とは言え、マーケットにおける不公平な競争行為をカバーすることができず、権利者をしてこの二つの法律規定の適用の不明確さに戸惑っている。

多くの学者・専門家たちは学理的角度から次のように指摘している。公正取引法の規範は「事業競争」の側面からの考量があり、商標法の保護目的と異なり、競合の角度から見た場合、なるべく二つの法規範の重なることを避けるべきである。但し、公正取引法第20条第1項各号で保護される「表示」は商標法の登録を受けていない商標に対する保護の不十分を補うことができるので、それを留保する必要がある。ただその要件を調整して、なお、行政処罰及び刑事責任を削除すれば、行為者の責任のアンバランスを調整すればよいと付け加えている。

このほか、商標法改正草案は20103月に行政院へ審査を送られている。改正草案の内容には「登録を受けていない著名商標」の保護規定は盛り込まれていない。その理由は公正取引法と商標法は相変わらず一般法と特別法の関係を維持し、商標法に明確な規範がある時は、優先的に商標法を適用し、商標法に規定がない時は、公正取引法で補充適用すると共に、行為者に課する一定の責任を利用して市場競争の秩序を回復し、商標法によって救済を求めることができない権利者にとっても、救済するチャンスもあると知的財産局は強調している。

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