事務所情報 | 出版物品 | 2010年6月
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「商標識別性審査基準」200911日から発効(その五)

4.1.3.1 組合せ文字

外国文字が二つ説明的文字から構成された組み合せ文字で識別性を有するか否かは組み合せ文字の全体をもって考量しなければならない。若しその組合せ文字が、元来の個別文字の説明的意義を離脱して消費者に元来の商品又は役務の説明と全く異なる印象を引き起せ、その他のソースと十分に区別できる場合、即ち識別性を有する。

わが国の一般消費者が外国語に対する熟知度はその文字を母語とする者とは同じくないばかりでなく、かつ外国文の使用する習慣も非常にわが国の一般消費者が掌握できるものでないため、原則として組み合せ文字の判断はわが国一般の消費者の理解をもって基準とすべきである。一般的に言えば、単純な説明的文字二つのみを連結して元来の説明的意義を変更しない場合はやはり識別性を有さない。例えば単純に二つの文字を結合して語法上又は意義上特殊な変化をせず、その組み合せ文字をして依然元来の説明的意義を保持している場合はやはり識別性を有さない。

拒絶事例:

    SCREEN WIPE」は「SCREEN(スクリン)」及び「WIPE(拭き取るもの)」の組み合せ文字で、全体で言えば「スクリンの拭き取るもの」以外の意義を発生しない。テレビ又はコンピュータのスクリンの拭き取り布商品に使用される場合、やはり商品の直接的説明である。

    Nanofibre」は「nano(ナノ)」及び「fibre(繊維)」の組み合せ文字で全体で言えば「ナノ繊維」の意味で、金ねぎ糸、綿糸、アクリル糸等繊維製品に使用される場合は商品の材質に関する説明である。

    Flexhose」は「flex(曲げる/曲がる)」及び「hose(ホース)」の組み合せ文字で「湾曲(伸縮)する」意味がある。管継ぎ手、水道管の継ぎ手等商品に使用される場合は、商品自体の通用名称である。

4.1.3.2 多くの意味の文字

外国の文字には多くの意味を有するとき、その中の一つだけは商品又は役務の説明又は通用名称であれば、識別性を有さない。例えば「Cell」は小部屋、細胞、個室、ハチの巣の穴、化学作用をもって電流を伝導する装置、電池、携帯電話等多重の意味を有するが、若し電池商品に使用される場合、即ち指定商品の通用名称である故、識別性を有さない。

4.1.3.3 エラーの綴り及び慣用の綴り方

外国文字は若し指定商品又は役務の通用名称若しくは関連する説明エラーの綴りであるとき、若し単に綴りの些かの変化で消費者に与えた印象は依然その正確の文字の通用名称又は説明する意味である場合、即ちそのエラーの綴りはやはり識別性を有さない。例えば「MILLENIUM」及び「MILENNIUM」はともにMILLENNIUM(千年祭)のエラーの綴りであり、「シャンパン酒、ブランデー」商品に使用される場合、やはり人に「MILLENNIUM」(西暦2000年)を思い出させ、商品の年度の説明である。

説明的用語は簡略な慣用綴り法をもって取り替えても識別性を有さない。例えば「TECH」と「TEK」、即ち「技術(TECHNOLOGY)」の慣用綴り法、「XTRA」即ち「EXTRA」の慣用綴り法、「E」は習慣上「ELECTRONIC」の簡略用法で、常に電子、電子技術又は電子方式(即ちオンライン又はインターネット方式)で提供する商品又は役務を表示することに用いられる。この類の文字を含有する商標は、若しその意義を整合して商品又は役務の描写的な文字になった場合は、拒絶しなければならない。例えば「Hi-Tech」を時計、腕時計商品に、「XTRA-SAFE」を透明な安全ガラス、強化ガラス商品に、「e-book」をイーブック、E-メモリカード、電子字引、電子ノートブック等商品に使用される。

4.2 表音文字(表音記号)

4.2.1 単一表音文字(単一表音記号)

デザインをされていない単一表音文字は通常消費者の注意を引き起しにくい。仮令消費者が注意していてもそれは商品又は役務の出所を指示及び区別する標識であると一般には認められない。故に、デザインをされていない単一表音文字は原則として識別性を有さない。通常簡単な装飾的外枠又はレースを加えたことによって識別性を取得することがない。但し、単一表音文字はもし特殊なデザインをして、またはその他識別性を有する部分と組み合せて全体として出所を指示及び区別することができる場合は識別性を有する。

デザインをされていない単一表音文字が商品又は役務に使用された場合、商品又は役務の説明であることが可能である。例えば「A」を各種商品に広く使用された場合は最上級の品質を表し、「S」、「M」、「L」、「F」を服装に使用された場合はサイズの表示であり、「C」をコンピューターソフトウェアに使用された場合は一種のプログラム言語の表示であり、「g」を各種商品に使用された場合は重量の単位である。

拒絶事例:

を溶接バー、溶接ワイヤ、溶接棒商品に使用される。

を按摩器、ダイエット器商品に

使用される。

許可事例:

をトランク、札入れ、リュックサック商品に使用される。「D」が図形化されたデザインで、単一の表音文字の境地を離脱し、出所を指示及び区別することができるため、識別性を有する。

を化粧品、身体用清潔剤商品に使用される。「Z」がその他識別性を有する図形と結合しているため、全体として識別性を有する。

4.2.2 二つ又は二つ以上の表音文字

二つ又は二つ以上の表音文字から構成された標識で、その標識が商品又は役務に関する説明又は通用名称でなければ、原則として識別性を有するため、登録を許すことができる。

許可事例:

・「SR」を草本飲料製剤、口内清浄剤商品に使用される。

・「SYM」をオートバイ及びその部品、組立品商品に使用される。

拒絶事例:

・「XXL」は特別に大きい又は拡大したサイズ(EXTRA, EXTRA LARGE)の意味で、ニーガード(Knee-guard)、リストガード(Wrist guard)商品に使用される場合、消費者が単にそれを指定商品のサイズとし、または商品は特に大きいサイズの説明的文字として用いられ、商品の出所を指示及び区別する標識ではない。

4.2.3 省略字・略語

 表音文字を組み合せてできた標識で、若し業界が使用している商品又は役務の通用名称若しくはその品質、効用又はその他特性に関する説明の省略字・略語である場合、表音文字の多少を問わず、共に識別性を有さない。

拒絶事例:

・「TFT」即ちThin-Film Transistorの省略字・略語で薄いフィルムトランジスターを意味し、電卓、LCDディスプレーヤ、液晶テレビ、液晶ディスプレーヤ等商品に使用されるときは、指定商品の製造材料の説明である。

DIY即ち「Do it yourself」で、「自分で造る」の意味で、飲食店、アイスフルーツ店、レストラン等役務に使用される場合はセルフサービスの意味を有し、役務に関する説明である。

・「ABM」はAgaricus blazei Murrill(ブラジルキノコの学名)の省略字・略語で栄養補助品、栄養補充カプセル、ブラジルキノコのカプセルに使用される時は商品の成分の説明である。

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