事務所情報 | 出版物品 | 2003年3月
前のページ 1 2 3 4 5 6 7 8 9次のページ
 

改正特許法の刑事罰廃止が施行される前、法院の判決は異なる

今回の特許法改正では実用新案、意匠特許侵害の刑事罰をともに廃止し、完全に民事的手段により解決することになる。今回の法改正は大きな変革であるため、特許主務機関は比較的長い時間をかけて行政及び作業上の調整をする必要がある。そのため改正後の特許法第138条は「本法は、第11条が公布の日から施行され、その他の条文の施行日は、行政院が別にこれを定める。」と規定している。

しかし実用新案特許侵害の刑事罰廃止に対し、現在のところ各法院が処理中の実用新案侵害事件の処置方法と見解はそれぞれ異なる。台北地方法院は民国892000)年の簡上字第367号の判決中で、行政院が判決日までに専利法改正の施行日がまだ制定されていなく、改正前の専利法を適用して被告は刑事責任を負うべきであるが、実際上、被告は権利侵害していないと認定されるため無罪の判決とした。しかしながら、高雄地方法院は専利法の改正公布後、民国912002)年度自字第390号、民国922003)年度易字第337号、及び民国892000)年度自字第209号などの判決の中で全て改正後の専利法を適用し、法律によりその刑事罰廃止を依拠として不起訴の判決を下した。高雄地方法院は民国912002)年度自字第390号において、実用新案特許権侵害の刑罰廃止は実用新案権利侵害に関する刑罰規定の廃止であり、改正だけに留まるものではないと指摘した。改正後の専利法第138条は「本法は、第11条が公布の日から施行され、その他の条文の施行日は、行政院が別にこれを定める。」と規定しているが、その条文で述べる「その他の条文」には、改正前の特許法第125条の刑罰規定がその中に含まれていないはずである。まして削除された条文はすでに存在せず、いわゆる「施行」がないことに関しては、中央法規標準法第22条第3項では「前2項手続き廃止の法規により、その名称及び施行日だけ公布又は発布することができ、公布又は発布の日から3日目に失効する。」と規定しており、「施行日」の概念は存在しない。

以上はすべて地方法院の判決で、将来的には高等法院にまで上訴する可能性があり、改正専利法が公布されて1ヵ月余りであるが、法院が現在の段階でどのような態度で実用新案の権利侵害事件を処理するかは明確でない。また新法によると最も早くて来年中には効力が発生し、今から効力が発生する日までの事件は理論上「従新従軽」の原則に従うべきであるが、実務上、法院のこれからの判決はまだ注意深く観察しなければならない。

Top  
前のページ 1 2 3 4 5 6 7 8 9次のページ
 
 
  11th F1., 148 Songjiang Rd., Taipei, Taiwan | Tel : 886-2-2571-0150 | Fax : 886-2-2562-9103 | Email : info@tsailee.com.tw
© 2011 TSAI, LEE & CHEN CO LTD All Rights Reserved
   Web Design by Deep-White