事務所情報 | 出版物品 | 2003年9月
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商品の外観と立体商標の保護

商品のブランドが企業のイメージに対する重要性は周知の通りで、企業は如何にその商品のデザイン、品質ないしそれに付随する商誉印象をうまく保護するかは、無視できない課題である。

通常、われわれが商品のブランド・印象を想起するとき、商品又はメーカの名称、文字商標または図形をすぐ頭に浮び、滅多に商品自体の容器、包装ないし形状にも、重要な役割を演じていることを連想していない。実在、新規な商品デザイン又は包装で商品を販売するとき、多くの商品は第一の目で見たことで、すぐ消費者に深い印象を付けられる。それを特定のメーカに連想させられるさえある。

商品の容器・包装ないし形状が、他人にコピーされたら、消費者に混同誤認して誤って購買させるばかりでなく、オリジナルメーカの営業損失をもたらしてくれる。長らく続ければ、コピー商品がマーケットに氾濫させ、品質を低下させて、オリジナルメーカの企業イメージをダウンさせるばかりでなく、消費者の利益にも損害させるので、商品の外観デザインに法的保護を求める必要がある。

わが国過去では、理論上商品の容器、包装又は形状のデザインは意匠権、著作権及び公正取引法によって保護されうるが実在意匠権の新規性の条件が比較的厳しく、出願手続きも遅く、保護期間も短い。さらに、特許法の改正で、本年331日から特許権の侵害事件に関し、刑事責任を追究することもできなくなったため、特許侵害に対する抑止効果が甚だ少ない。著作権の保護に至っては、オリジナリティーに対する要求は比較的低く、保護期間も比較的長く、しかも登録を保護の要件としない。ところで、わが実務の見解では大量生産そして美術価値を有する工業産品に対しては依然美術著作を構成しないと認められ、著作権法の保護標的にはならない。従って、普通のメーカはただ公正取引法第20条によって商品のトレードドレス(Trade Dress)の模倣問題を処理することができる。

公正取引法第20条第1項では、関係する事業者又は消費者が周知する他人の商品の外観又はその他他人の商品を明示する象徴を以って、同一又は類似の使用をして、他人の商品と混同させる行為、又は当該象徴を使用した商品を販売、運送、輸出又は輸入する行為を禁止している。

仮に、商品の象徴が関係する消費者に周知されるもので、例えば炭酸飲料黒松沙士(サルサパリラ)の茶色の背景に金の太いストライプ二つを飾っている金属缶の外観や特級金門高梁酒(文字)及びその白金の龍のラベルなどは、ともに関係する大衆が周知する商品の象徴であるため、他人がそれをコピーしてはならず、さもなければ公正取引委員会により高額の科料に処される、または刑事罰を受けられる、場合によっては権利者に対して損害賠償責任を負わなければならない。

このほか、本年528日に公布され、1128日に施行される予定の改正商標法には、立体商標に対する保護を設けた。商品の容器、包装、外観等設計は、若し識別性があって、消費者をしてそれが商品又は役務を表彰する標識を十分に認識し、そして他人の商品又は役務と区別できる場合は、商標法の規定によって、知的財産局へ立体商標の登録出願をすることができるようになった。

ただし、立体商標の審査及び登録は、視覚で感知できる図様で表示するものに限定されている。願書の中に、斜視図又はその他の図面で表示しなければならない。立体商標が、一旦審査を通過して、登録公告の日から10年間指定する商品又は役務について商標権を取得する。権利期間満了前、さらに制限なく何回も更新登録できる。

立体商標権者は、商標法が与えられた排他的権利を有するほか、他人が同一又は類似する商品の象徴を以って、商標登録することを防ぐばかりでなく、コピーされた場合は商標侵害の民・刑事救済を主張することができる。とくに、改正商標法は、著名商標の保護を拡大したため、他人が同一又は類似する商品象徴を使用しているが、混同誤認までに至らず、公正取引法によって権利を主張することができないときは、なお著名商標識別性又は声誉を減損させるものとして、他人の商標登録を防止し、又は商標権の侵害行為とみなす(改正商標法62条)ことができる。

注意すべきことは、商標法によるか又は公正取引法によるかに拘わらず、商品の象徴は実用的又は機能的効用的形状であってはならない。さもなければ、商標権者が商標法を通じて当該商品が意匠を出願するべき機能又は技術を独占させてしまって、却って権利者に過大な保護を与えて、公正競争を妨害する結果になる。

このようにしてみれば、企業は商品の包装又は外観が商品ブランド・商品イメージを建てる機能があることを認識すべきで、商品の象徴とする容器又は包装についても一緒に立体商標の登録をして、十分にその権益を保護し、商品販売の最大の効果を発 

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