事務所情報 | 出版物品 | 2003年9月
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著作権法の一時的複製の規定および適用

著作権法の一部条文が今年の66日に立法院三読会を修正通過したが、これは主に近年インターネットの発展により広がった争議的問題に対し、国際間の立法を参考にして、著作権法を新興科学技術に対応させたものとなっている。そのうち「一時的複製」に関する規定は、その影響が非常に大きいため、よりこれを明らかにして、インターネットのユーザがややもすれば処罰されることから守らなければならない。

改正著作権法では、「複製」の定義が新たにされた。第3条第1項第5号の規定によると、いわゆる複製とは印刷、複写、録音、録画、撮影、筆記若しくはその他の方法により「直接、間接、恒久又は一時的」に再製することをいう。脚本、音楽の著作物若しくはその他これに類する著作物の実演或いは放送時にそれを録音し又は録画し、又は建築設計図或いは建築の模型に従って建造する建築物もこれに属する。

「一時的複製」に関する規定は、第22条第3項、第4項では排除されている。つまり第3項では「前二項の規定は、専らインターネットにおける中継性伝達、或いは合法著作の使用、技術操作過程において必要な過渡的、附帯的且つ独立経済意義を持たない一時的複製には、これを適用しない。但しコンピュータプログラムはこれに限らない。」と規定し、第4項では「前項インターネットにおける中継性伝達の一時的複製の状況はインターネット閲覧、高速アクセス、或いはその他の伝達機能を達成するためにコンピュータ又は機械自身が技術上避けられない現象を含む。」と規定している。

続いてコンピュータ内部のランダム・アクセス・メモリ(RAM)を例に一時的複製の意味を説明する。

インターネット上でホームページのある報道記事或いは写真をクリックして選択すると、ランダム・アクセス・メモリはこの記事或いは写真のデータを複製してコンピュータ上に表示する。これがいわゆる一時的複製である。コンピュータの使用を終了して電源を切ると、電流が中断するために、メモリ内に保存されたこれらデータは消失される。電源を再び入れても読み取ることはできないため、その複製は技術操作過程に必要な過渡的、附帯的且つ独立経済意義を持たないものに属する。

また、これらデータ伝送に参与するインターネットサービス業者等は、インターネットの中継性伝達に属するため、その一時的複製は同様に技術上避けられない現象である。

以上の分析から分かるように、他人の著作物を合法的に使用する際、その性質上必ず一時的複製が現れるが、それは複製範囲に属さない。立法の際の説明によると、次の情況は不法複製でないとされる。(一)コンピュータ又は光ディスクプレーヤにより合法的に購買した光ディスクを再生すること。(二)インターネット上で映像、図形、文字を閲覧すること或いは音楽を聞くこと。(三)コンピュータ中に既にインストールされたコンピュータのソフトウェアを購買して使用すること。例えば、コンピュータでMicrosoft社のワードを使用すること。(四)インターネット・サービスプロバイダーがインターネットを通じてデータを受信者へ伝送すること。(五)学校、企業が代理サーバを使用して、インターネットのユーザに閲覧を提供するために、データを代理サーバ中へ保存すること。(六)コンピュータプログラムを修正すること。

しかしながら、ある合理使用の規定を満たす一時的複製は不法ではない。それは例えば、不法コピーのコンピュータプログラム、或いはBBS、ホームページ、イーメールの他人の著作を複製すること。著作権者から使用許可を得ずにインターネットによりその著作データを伝送すること。サーチエンジン業者がインターネットデータをサーバ中へダウンロードして索引および処理を行うこと。サーチエンジン業者がキャッシュ(Cache)サービスを提供することが含まれる。

今回の著作権修正法は、インターネットの発展により広がった争議問題に対し、国際間の著作権の発展趨勢に合わせてより詳しい規範を提供して、インターネットユーザの紛争解決を助けて、情報伝達および電子商取引をより発展させることができる。



 

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