事務所情報 | 出版物品 | 2003年12月
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パテントマップの運用により競争力を向上する

どのようにしたら効果的に「ロイヤルティ」が獲得できるだろうか?専門家は「特許は企業にとり非常に重要な経営の武器となっており、効果的なパテントマップを分析することは、ライバル企業が行っている研究開発の方向性が掌握できるだけでなく、自社の将来の発展戦略を計画する際にも役立つ」と指摘する。

工業技術研究院の技術移転およびサービスセンターの車慧中経理は「パテントマップとは、あるテーマに関する特許データの検索と研究のことであり、それを管理、技術、専用権、研究開発の方向性などといった方面から分析し、最終的には有用な戦略決定の情報にする。そのため企業の発展段階、明細書の書き方、出願、回避から、後日発生するライセンシング、新事業の立ち上げなどまで、企業に与える影響は長期にわたる」と述べる。

「パテントマップは一つの選択であり、ルールではない」と車慧中氏は強調する。パテントマップの製作過程では、3分の2以上の時間を特許検索が占め、伝統産業のほとんどは国際特許分類(IPC)により分類することが可能であるが、科学技術の発展に伴い、特許内容は案件ごとに大きく異なってきているため、企業目的を明らかにすることにより初めて需要に合ったパテントマップを構築することができる。                                                                                                                                                                                                                        

特許言語の特殊性もまた検索を困難にしている。ある句読符号の違いにより「工業技術研究院」という名称だけでも米国特許庁には八つもの翻訳名がある。また、技術名称が統一されていないため、特許請求範囲(Claim)はあいまいになっているうえ、ある代理人は故意にキイワードを避けているため、データ検索は非常に困難である。現在、企業の使用権、併合買収などといった複雑な競合関係により、特許権者の名称が頻繁に変更されるが、これも検索する際の盲点となっている。

特許エンジニアとパテントマップの講師を長年勤めた車慧中氏は「先ず検索目的、予算、期間を確認してから、技術と検索キイワードをリストアップする。そして、演算子(* $ ?)を利用して、単語のあらゆる変化をカバーしなければならず、各データベースの限界と機能も十分に理解しておく必要がある」とアドバイスする。

「損失停止点は必ず決定しておく必要がある」と同氏は強調する。そして、「研究開発および知的財産を管理するスタッフは、常にコミュニケーションを密にし、検索戦略の修正を行う以外にも、コストコントロールにも注意する必要がある。また、米国特許庁は毎週二回、最新の特許登録を公告しているが、一般の民間企業はその情報について行くのが非常に困難となっている」と述べる。

 パテントマップはさらに全体の産業技術分野の趨勢を分析して描き出すこともできる。車慧中氏は「毎年の特許権者の人数と特許件数から、技術のライフサイクルを推論することができる」と指摘する。例えば、特許権者の人数が出願件数より少ない時は、複数の者が一つの特許を共有して、その技術が萌芽期にあることを示しているため、ちょうどこの時期に研究開発を行う価値と空間がある。

特許開発の方向性、重要なライバル国家、ライバル企業、研究開発能力が強い「スーパー発明王」などといった資料を逐次分析すると、この分野の発展趨勢がよりはっきりと掌握できる。

現在、多くの企業に対して特許戦略を指導している車慧中氏は「現在、台湾の国内メーカはまだ特許を争奪している段階にあるため、特許の分析および戦略に対するニーズはあまり無いが、知的経済の発展に伴い、パテントマップの計画戦略はメーカが正視しなければならない問題となるだろう」と述べる。

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