事務所情報 | 出版物品 | 2003年12月
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「越光米(コシヒカリ)」は品種名のため、商標登録を

無効とした台湾知的財産局の処分を維持される
―台湾台北高等行政裁判所2002年度 訴字第3337号判決―

“越光米”は稲の品種名であり、商標法に違反しているため登録を無効とした処分を不服として業者が提起した行政訴訟を台北高等行政裁判所は却下した。

陸協碾米工場は1996年に“越光”を米、麦などの商品への使用を指定して商標登録出願し、2001年に台中県民の林某氏へこの商標権を譲渡した。その後、億東企業が商標法に違反しているとして審判を請求した結果、知的財産局はこの商標登録を無効としてその取り消し処分をおこなった。林某氏はこの審決を不服とし、行政訴訟を提起したものである。

億東企業は台湾省政府食料局が以前出版した“台湾主要稲作品種外観識別参考マニュアル”に記載されている“越光米”の外観、品質特性などから、“越光”は稲の品種名と認めて、商標の審判を請求したものである。

林某氏は「参考マニュアルは正式な文献資料でなく、稲品種の外観識別だけ記載されている。同様に食料局から発行された“稲米品質小百科”には、稲の品種は梗米、袖米、梗糯、袖糯だけに分類されており、越光という品種はない」と反駁した。

林某氏は「商標法の“商品の形状、品質、効用、通用の名称又はその他の説明を表示するものは商標登録することができない”という規定は、社会一般通念を判断基準とするべきであり、知的財産局が一冊の参考マニュアルだけにより“越光”とその商品本体の説明に密接な関係があると認めたことは到底納得できない」と反駁した。

知的財産局は「商標が商品の説明、または商品自体の習慣上の通用の名称、形状、品質または効用を表示する場合、すでに反復使用されて特別な顕著性を失ったときは、登録出願することができない。越光米が稲品種に属し、商標が譲渡される前に陸協碾米工場は産品の包装上に“越光”品種の稲であることを明記している上、“大橋ブランド”商標の包装背面には類型および品種の箇所に“梗米、越光”と記載されていることから、それが品種名であることは間違いない」と指摘した。

高等行政裁判所は、林某氏が挙げた「稲米品質小百科」は稲品種を細かく分類したわけではなく、概略的に分類しただけである。梗米の一種に属する「越光米」を米類商品の商標とすることは、一般社会通念に照らし合わせても、使用商品の説明文字に属すため、法により当該商標登録を無効とし、連合登録商標も合わせて取消した知的財産局の処分に間違いはないとして、林氏が提起した行政訴訟を却下した。 

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