中国の知的財産権司法機関及び行政部門 1. 人民法院。中国の人民法院は4級別に区別されている。《民事訴訟法》の土地管轄、審級管轄及び専属管轄の規定により、各級法院が知的財産権の権利の確定及び侵害紛争に関する審判業務を担当する。 (1) 最高人民法院。最高人民法院民事審判第三庭(元知識産権庭)が知的財産権の審判業務を担当する。 (2) 高級人民法院。全国各省、直轄市、自治区に設立する高級人民法院。高級人民法院では知識産権庭を設けてある。 (3) 中級人民法院。中国では現在300以上の中級人民法院がある。全国各地に分布している。中級人民法院では、一般に民事法廷によって知的財産権の侵害紛争事件を審理する。 (4) 基層人民法院。各県及び都市の区において、基層人民法院を設けてある。ある基層人民法院では知識産権庭を設けてある。 2. 国家知識産権局。現在国家知識産権局の下部機構は主に専利局がある。特許出願の審査及び特許権の授与を主な業務とする。 3. 商標局。商標局は国家工商行政管理総局の下部機構である。商標登録出願の審査及び商標権の授与を主な業務とする。 4. 中国版権局。中国版権局は、国家新聞出版署の下部機構である。全国の版権(著作権)行政の管理を主な業務とする。 5. 国家海関総署。中国海関総署は輸出入商品の品目分類の研究・作成、輸出入商品の原産地規則の制定を行うとともに、知的財産権権利者の権利の税関での届け出及び保護など。税関における知的財産権の保護策(水際措置)を実施する権限を有する。 6. 国家農業部、林業部の植物新品種権の出願受理、審査及び批准に責任を負う。 7. 各省、市特許管理部門。各地特許管理部門は国家知識産権局の指導を受け、特許侵害紛争案件、特許盗用行為の調査処罰、特許紛争案件の調解を行う権限を有する。 8. 各省、市、県工商行政管理局。各地の工商行政管理局は国家工商行政管理総局の指導の下、商標侵害案件の調査処理並びに商標侵害紛争の調解に責任を負う。各地の行政管理工商局はまた、不正競争行為の監督、検査、処罰;商業混同行為及び商業秘密を侵害する行為の処理、企業名称の登記及び管理する権限を有する。 9. 各省、市版権行政管理部門。各地版権行政管理部門は国家版権局の指導の下、版権(著作権)侵害行為の処理をする権限を有する。 10. 各地の税関。各地の税関は、侵害の疑いのある輸出入貨物の調査及び処理する権利を有する。 国家質量監督検験検疫局及び各地の技術監督局。前者は国家質量技術監督局及び国家出入境検験検疫局から合併・設立(国家質検局と略称)。全国産品の品質、計量、出入国商品の検査、出入国の衛生検疫、出入国動植物の検疫及び認証認可、標準化業務を行っている。その下部組織が質量技術監督局(技術監督局と略称)である。県レベル以上の技術監督局は、その行政区域内の産品の品質を監督主管する。各地の技術監督局は国家質検局の指導の下、模倣品の取締まる関連活動を担当する。