台湾の商標法における地理的表示の証明標章の登録出願作業要点（一） １．はじめに台湾の世界貿易機関(WTO)への加盟により、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定（TRIPs協定）の地理的表示の保護規定を履行するとともに地理的表示の保護を強めるため、2003年11月28日に改正施行された商標法第72条にすべて標章をもって他人の商品または役務の特性、品質、精密度、産地またはその他の事項を証明し、標章を専用しようとする者は、証明標章として登録を出願することができると新しく設けた。 2.定義 2.1地理的表示の定義 この要点にいう「地理的表示」とは、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定（TRIPs協定）第22条の規定によれば、ある商品に関し、その確立した品質、社会的評価その他の特性が当該商品の地理的原産地に主として帰せられる場合において、当該商品が加盟国の領域またはその領域内の地域若しくは地方を原産地とするものであることを特定する表示をいう。従って、地理的表示を商標法第72条の規定に基づいて証明標章を登録出願する場合は、必ず当該標章自体はある地域を表示する地理的名詞であり、又は当該地理的名詞と関係ある代表的図形・文字などは十分に地理的原産地を表彰する標識で、かつ、当該標識は地理的表示の構成用件の保護と合致するものでなければならない。登録の許可を得た証明標章はわが商標法が保護する地理的表示の登録リストに編入して公告され、さらに二国間協定若しくは多数国間協定による地理的表示の交換保護リストとして管理される。 2.2地理的表示の構成要件 (1) 商品がある特定地域に産出することを区別する表示である。 当該表示自体はある領域を表示する地理的名詞、又は当該地理的名詞と関係ある代表的図形・文字で、かつ、ある商品（原料、加工から包装まで）と当該特定地域との関係を表彰する。 (2) 会員国の領域またはその領域内のある特定地域を表示する。 地理的表示範囲を明確に限定する場合、会員国の領域又はその単一の行政区域或しくは異なる行政区域の結合、甚だしいときはある産品原料の生長又は加工生産工程の特定地域をいう。 (3) 商品の確立した品質、社会的評価その他の特性が当該商品の地理的原産地と関連性がある。 この構成要件は主に商品の確立した品質又は優良な品質、社会的評価或しくはその他の特性を表示し、主として地理的原産地に帰せられる、即ち商品の原料から加工など生産段階までは地理的原産地と或る程度の関連性がなくてはならない。一般に言うと、当該地理的区域の環境要素を指す。例えば、気候、土壌、海抜、灌漑流域面積、風、水質等自然要素、又は当該地域の伝統的或しくは人工技術等人文要素である。 2.3.商品と地理的原産地との間に関連性があることについての認定 商品の確立した品質、または優良な品質、社会的評価或しくはその他の特性が主として当該商品の地理的原産地に帰せられる要求として、下記事情の一つを有さなければならない。 (1) あらゆる生産段階（原料、加工、包装）はすべて指定された地域内で完成する場合。 (2) 原料（例えば、茶）が指定された地域に産出する。例外的に小部分の原料はその他の区域に産出する場合。 (3)産品を十分に識別する特性を与えたある生産段階は当該地域に発生している場合。 3.出願 3.1法令の根拠 (1) 商標法第72条（証明標章の定義、証明標章出願人の資格の制限）「すべて標章をもって他人の商品または役務の特性、品質、精密度、産地またはその他の事項を証明し、標章を専用しようとする者は、証明標章として登録を出願しなければならない。証明標章の出願人は、他人の商品または役務を証明する能力を有する法人、団体または政府機関に限る。前項の出願人は、証明しようとする商品または役務の業務に従事している者は、登録を出願することができない。」 (2) 商標法第80条（商標に関する規定の準用）「証明標章は、この章に別段の定めがある場合を除き、その性質により、この法律の商標に関する規定を準用する。」 (3) 商標法施行細則第38条（証明標章）証明商標の登録を出願するときは、願書を備え、下記事項を明記しなければならない。 1.証明する商品又は役務。 2.証明標章で表彰する内容。 3.証明標章を表示する条件。 4.出願人が証明できる資格又は能力。 5.証明標章の使用を監督する方法。 6.出願人自身が証明商品の製造、販売又は役務の提供を行わない声明。 (4) 商標法施行細則第40条（証明標章の準用規定）証明標章は、その性質により本規則の商標に関する規定を準用する。
