8. 審理手続に関する特別規定
知的財産裁判所の案件審理は主に2008年7月1日より施行した知的財産案件審理法の規定による。この法律の条文は全部39条、主な内容は
(1)民・刑事裁判所は自ら知的財産権の有効性を認定することである。
知的財産権の行政争訟の結果の判断を待つ必要がなく、民・刑事裁判所は自ら知的財産権の有効性を認定することができ、訴訟の延滞を避けることができる。
(2)経済部知的財産局の役割
知的財産民事事件に関し、知財裁判所は自ら知的財産権の有効性を判断することができるため、知的財産案件審理法はとくに知財裁判所は決定をもって経済部知的財産局を命じて第3者の身分として訴訟に参加させることができると規定している。
(3)営業秘密案件は審理公開しない
知的財産訴訟事件が当事者の営業秘密に関わっているとき、審理を公開せず、並びに訴訟資料の閲覧、抄録または撮影を制限することができる。
(4)秘密保持命令制度を導入する
知的財産訴訟の当事者が秘密保持を要する対象は競争する同業者である他方当事者である。訴訟資料の閲覧を禁止または制限することができるか、他方当事者が訴訟に参加する権利もまた同様に法律の保障を受けなければならない。従って、営業秘密の保護利益と他方当事者の訴訟権益を同時に配慮するため、日本の秘密保持命令制度を導入し、知的財産裁判所から秘密保持命令の発行許可を決定すると共に命令違反者に対して刑罰を科する。
(5)必要な資料又は証拠を提出する義務
知的財産民事及び行政訴訟事件で、文書又は検証物を所持している人がその証拠を提出する義務があり、提出を拒否した者に対し、裁判所は科料に処することができ、必要なときに行政処分を行うこともできる。
(6)証拠保全の強制措置を増加する
証拠保全手続事件の中、若し相手方が正当な理由なくして証拠保全の実施を拒否したとき、裁判所は強制力をもって排除することができ、必要なときに、警察の協力を求めることもできる。
(7)仮の地位を申し立てる処分は理由を敘明しなければならない
知的財産権の産品市場のサイクルが短く、若し製造または販売禁止の保全処分を行った場合、容易に製造生産者をして判決が確定する以前に、すでに淘汰されてしまいやすいので、民事、行政裁判所は慎重に保全事件の申立を処理すべく、若し申立の要件に合致しないときは直ちに申立てを却下しなければならない。
(8)刑事付帯民事訴訟は自ら判決を行う
知的財産刑事付帯民事訴訟事件は必ず刑事案件と同時に裁判を行わなければならない。但し、必要なときに、刑事裁判後の60日後に再び裁判を行うことができる。
9. 展望
グローバル化の時代の中、迅速に知的財産権の紛争を解決し、並びに科学技術の競争力を維持するため、我々はこの独立と専門の知的財産裁判所は知的財産権の関連争議を迅速的、効率的に解決することを期待している。
2007年台湾特許、実用新案、意匠新規出願国別統計表
2007年台湾商標新規出願国別統計表(案件数で計算)