事務所情報 | 出版物品 | 2009年3月
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特許技術用語中英文対照データベース設立

特許明細書に係わる専門技術分野が甚だ広く、文献に出てくる同じものの概念がつねに異なる技術用語で説明されている。このほか、特許技術用語もまた分類の問題に係わっている。例えば「乳酸菌」という用語は特許技術に運用されるとき、「人類の生活に必須」な食品類に出ているばかりでなく、「化学、冶金」の微生物学類にも入っている。

また、特許技術の間に関連性があり、専門技術用語及び新語が絶えず大量に発生し、利用者が調べたい用語の英訳を容易に見つけることができず、特許出願前の検索並びに産官学研の研究開発及び利用に不利である。

上記問題を解決するため、台湾知財局はこの頃「特許技術用語中英文対照データベース」を設立し、各技術分野の中英文対照用語を整理したほか、その対応する特許国際分類をも明記し、さらに同義語並びにその他関連する新しい情報をも陸続と追加・収録されていく。

台湾知財局は2008128日から同局のウェブサイトで技術用語の無料問い合わせのサービスを提供している。そのカバーする範囲は主に国立編訳館の学術名詞、国家実験研究院科学技術政策及び資料情報センターの科学技術用語同義語、本国特許英文摘要、特許国際分類中英文類目名詞及び国際工業デザイン分類である。合計中英文専門技術用語179万語を収録。

「特許技術用語中英文対照データベース」の設立は知財局の内部にとって特許審査官の特許前案の検索の精確度及び検索完全率の上昇に寄与し、中英対照の技術用語の調査にかかる時間・人員を削減する。局外にとっては本国人が特許出願時に関連英訳技術用語の取得、及び同一用語が異なる分野における英訳の理解に助け、ある主題のあらゆる可能な技術の分析に用いられ、重複出願を避けることができる。

NOKIA」と「nocria」が類似商標と認められ、台湾知財裁判所は「nocria」商標を取消す初審判決を下した台湾知財裁判所第二法廷は20081126日にフィンランド商・NOKIA CORPORATION社が日商・株式会社富士通ゼネラルの登録第1196169nocria商標に対する異議申立不成立事件で経済部が2008528日になさった異議申立不成立の処分を維持する経訴字第9706107410号訴願決定に不服して提起した行政訴訟事件に関し、訴願決定及び原処分を取り消すとともに台湾知財局は登録第1196169nocria商標を取消す査定を行わなければならないとの判決主文を言い渡された。

事実概要:株式会社富士通ゼネラルは200537日に「nocria」商標を商標法施行細則第13条に定められている商品及び役務分類表第11類の「空気調節装置、冷房機、空気循環機、通風機、空気浄化機、扇風機、冷蔵庫、湯沸かし器、空気調節機用濾過器、冷凍機」商品を指定して台湾知財局へ登録出願し、許可されて2006216日に登録商標第1196169号として登録された。その後、NOKIA CORPORATION社はその登録が商標法第23条第12号、第13号の規定に違反するとしてこれに対し異議申立を提起し、台湾知財局で審査を経て20071231日に中台異字第G00950634号商標異議申立審定書をもって「異議申立不成立」の処分をした。NOKIA CORPORATION社が不服で、訴願申立を提起し、経済部で2008528日に経訴字第09706107410号訴願決定書で却下されて、NOKIA CORPORATION社はつい台湾知財裁判所へ行政訴訟を提起した。訴の声明は上記処分及び訴願決定を取消すとともに係争登録商標「nocria」を取消さなければならないことである。

NOKIA CORPORATION社はこのように主張している。「nocria」商標には創造性に欠く、ただair conditionerの前半部であるairconを逆の順序で並べて「nocria」になり、識別性が薄く、外観から見ればNOKIAとは近似し、容易に消費者に混同誤認させる。しかも市場で「nocria」商標が「NOKIA」商標と長年並存使用されている事実がないと主張している。

株式会社富士通ゼネラル社は下記のように抗弁している。「nocria」商標が「NOKIA」商標とは外観上及び読音において共に類似せず、引用商標NOKIAの指定商品であるラジオ、テープレコーダー等通信器材は「nocria」商標の指定商品である空気調節機、冷房機等とは材料、製造ソースから販売チャンネルないし消費者まで共に異なるため、両方商品は実に非類似である。また、「nocria」商標が2003年に日本で商標登録を取得している。一方、NOKIA商標が1988年に日本で登録されている。両商標は日本で併存登録し、継続的に3年以上使用してきているにも拘わらず、消費者の間に混同誤認を発生することがない。さらに、NOKIA商標は携帯電話だけで著名商標であるが、空調設備等商品はまったく知名度がない。その代り、富士通ゼネラル社は冷房空調設備で有名なメーカーで、nocria商標は既に日本、タイ、スイス、ノルウェーなど欧州12ヶ国で登録を取得している。さらに、台湾で販売されていて消費者の好評を得ている。関連消費者に混同誤認させる又はNOKIA商標の識別性を減損する虞がない。

 

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