「商標識別性審査基準」2009年1月1日から発効（その三）

 4. 識別性の審査

商標は文字、図形、記号、色彩、音声、立体形状又はそれらの結合から構成することができるので、商標識別性の審査は商標の全体について観察しなければならない。仮令その中に識別性を有さない部分を含めても若しその全体の商標図様は十分に関係消費者をしてそれがソースを指示及び区別する標識であることを認識させる場合、即ち商標の識別性を有する。以下は常に見られる商標出願の形態についてその識別性の審査原則を説明する。

4.1 文字

文字が商品又は役務のソースを指示及び区別する標識として識別性を有するか否かは文字の意義及びそれが指定商品又は役務との関係によって決まる。文字が全く商品又は役務の品質、効用又はその他特性の説明意義を有さない、又は意義が極めて低いときは識別性が比較的に強い文字商標である。指定商品又は役務の通用名称、又はその品質、効用又はその他特性の直接ではっきりした説明的文字であるときは識別性を有さないのである。

市場で新開発の産品又は役務に関し、開発のメーカーが産品又は役務に与えた名称は開発メーカーの最初の創造ではあるが、若し商品又は役務の直接ではっきりした説明であるとき、それが容易に人をしてその指示する商品役務は何であるか、又はその技術内容を理解する故、その他同業者もまたこれら簡単、明瞭、直接的な表現を使用する必要があるため、一人によって排他的専属権を取得させることは宜しくない。出願人が最初の創造者であってもやはりそれが商品又は役務に関する説明であって識別性を有さないと認めるべきである。例えば「影音看屋」の文面上の意味は「影、音の方式で家を見る」ことを表し、オンラインビデオ及びオーディオの方式で必要な家を探し、家の各種基本資料を取得すること及び家の内外実景を見る意味を有し、一種の新しい不動産の仲介サービス方式であって、その役務の簡単、明りょう、直接的表現方式で、他の同業者にもそれを各種建築物の賃貸し、売却及び不動産の売買、賃貸の紹介らサービスに使用される需要がある。仮令出願人の最初の創造であっても、やはりそれが商品又は役務の説明であると認め、識別性を有さないと認めるべきである。又、例えば「photo transport」は「写真の伝送」を意味し、コンピューターの中の図形やファイルをカメラへ伝送してブラウシングする新しい伝送技術であり、「photo transport」はその技術の簡単、明りょう、直接的な表現方式で他の同業者にもそれを映像及び図形に使用して関係商品を伝送する必要があるため、出願人が最初に創造したとは言え、やはりそれが商品の説明であると認め、識別性を有さないと認めるべきである。

文字の意義が商品又は役務の説明であるとき、仮令同業に同一文字を商品又は役務として説明する事実がなくても、やはりそれが商品又は役務の説明としての本質を変えることができない故、その文字が識別性を有する証拠とすることができない。例えば化粧品業者は「潤活極緻」、「晶緻煥白」、「鉑金滋養」、「保湿艶光」ら文字を使用して商品の成分又は効能を強調する場合、同じ用語を使用している同業者がなくても、やはり商品の直接明白な説明であり、消費者がそれと商品の出所（ソース）を識別する標識としないため、識別性を有さない。

4.1.1 諧音文字

諧音文字は若し消費者に新奇独特の印象を与えられ、その諧音文字に元来有する説明の意味の外、商品又は役務のソースを指示及び区別する機能を発生させることができる場合、即ち識別性を有する。

許可例：
・ 「贏養」は「栄養」の諧音で、粉ミルク、獣乳商品に使用される。
・ 「海仙」は「海鮮」の諧音で、魚団子、魚を糊状にしたもの、干し貝柱、むき蝦、蝦の肉等商品に使用される。
・ 「超奈魔」は「超耐磨」の諧音で、潤滑油添加剤商品に使用される。
・ 「」図様中の「潔然不同」は「截然不同」の諧音で、雑巾、モップ、ほうき、はたき（鶏の羽で作った）、クリニング用スポンジ商品に使用される。
・ 「Fun心貼」は「放心貼」の諧音で、粘着用立体装飾フォート、張り紙、装飾用プラスチック貼紙、広告用粘着性ステッカー等商品に使用される。

拒絶事例：
・「珍材食料」は「真材実料」の諧音で、「真材実料」の使用する材料が実際の意味を表示することと異なるが、珍貴の食材に使用する食材の意味を有するのでレストラン、小料理店の役務に使用されるので、やはりその提供する役務の内容の関連説明である。