事務所情報 | 出版物品 | 2020年 9月
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台湾 模型や彫刻などを輸入する際には
著作権者の同意又は許諾を得なければならない


 【出典:財政部ウェブサイト】

近年、有名な映画、アニメ、漫画のフィギュア、模型、彫像、彫塑などを輸入する一部業者が、事前に著作権者の同意又は許諾を得ていないために、著作財産権の侵害の疑いで著作権者に刑事告訴されるという状況が見られる。そのため、台湾の財政部関務署基隆税関は、業者に対し、法律違反とならないために輸入する前に知的財産権の関連規定を確認するよう呼びかけた。

 台湾の著作権法第5条第1項の規定によると、有名な映画作品、アニメ、漫画のフィギュア、模型、彫像、彫塑はいずれも著作権法の保護を受ける美術著作物又は図形著作物に属する。また、同法第87条第1項第3号及び第4号の規定によると、「著作財産権者又は製版権者の許諾を得ずに複製された複製物又は製版物を輸入する場合」及び「著作財産権者の同意を得ずに著作物の原作品又は国外で適法のその複製物を輸入する場合」は、著作権又は製版権の侵害とみなされる。したがって、有名な映画作品、アニメ、漫画のフィギュア、模型、彫像、彫塑などの物品を、ネットで購入又は輸入する場合、それが著作物の原作品であるか、国外で適法のその複製物であるかにかかわらず、いずれも著作財産権者又は製版権者の同意又は許諾を得て、はじめて合法的に輸入することができる。

 なお、注意すべきなのは、著作権法第87条の11項に規定される「中央又は地方の政府機関の利用に供するために輸入する場合」、「輸入者が頒布を目的としない私的利用のために又は入境者の荷物の一部として著作物の原作品又は一定数量の複製物を輸入する場合」、「商品、機器又は設備に付属の説明書又は操作マニュアルが商品、機器又は設備に付随して適法に輸入される場合」などの例外事情(http://www.tsailee.com/service_laws_show_jp.aspx?cid=3&id=91参照)に該当する場合、著作財産権者の同意を得ずに著作物の原作品又は国外で適法のその複製物を輸入しても、権利侵害に該当しないとみなされる点である。

 また、「輸入権」を侵害されたと主張して、民事の損害賠償を請求しようとする場合、又は刑事の告訴権を行使しようとする権利者は、著作財産権者又は専用使用権者に限られる。外国の著作権商品の代理業者にすぎず、専用使用権者でない場合、台湾高等裁判所92年上更()字第116号刑事判決によれば、著作財産権を独占的に利用したことがなく、犯罪の被害者ではないため、法律により告訴又は私訴を提起することができない。

 最後に、輸入される著作権侵害被疑物品に関して、著作権法第90条の15項の規定によると、著作権者は、自身が所有する著作権を侵害する物品の輸入に対して、予め税関に差押を申立てることができ、裁判所の下した民事の確定判決を取得した場合、税関がそれを没収すると規定されており、また、鑑定の結果、真正品の並行輸入に該当しない侵害物に属するとなった場合、税関密輸取締条例第39条の1の規定により、貨物の価額の3倍以下の過料に処され、且つその貨物は没入されるため、関連業者は特に注意すべきである。

 

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