事務所情報 | 出版物品 | 2020年 3月
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台湾 2019年12月17日に立法院で
「知的財産及び商業裁判所」設立が三読通過

 
【出典:司法院ウェブサイトの新着情報】

9期第8会期の台湾の立法院(日本の国会に相当)では20191217日に司法改革国是会議の専門裁判所(法廷)に関する最後の重要な改正である「商業事件審理法」及び「知的財産及び商業裁判所組織法改正案」が三読会を通過した。今後、商業紛争事件の解決では専門化した二級二審制が採用され、重大な商業事件がより迅速かつ適切に解決されるとみられる。

新たに設立される「知的財産及び商業裁判所」は、1億台湾ドル以上の商業事件を取扱う。これによって、台湾のビジネス環境の現状が改善し、国の競争力が向上することが期待される。関連の特徴は下記の通りである。

一、計781条からなる「商業事件審理法」を制定する。

1.審判手続きのテクノロジー化:全ての書類はオンラインシステムで提出しなければならない。裁判所は事件を審理する際に、インターネットにより遠距離で尋問を行うことができる。裁判所への出頭に取って代わるインターネットの運用で、当事者の裁判所利用を促進する。

2.専門裁判所の設置:知的財産及び商業裁判所(以下、商業裁判所という)を高等裁判所級とし、重大な商業事件について二級二審制を採用する。これにより紛争が迅速に処理可能となり、事件を早期に解決できる。

3. 弁護士強制制度の採用:事件の争点を絞って、不要な争いを減らし、審判効率を高めるため、重大な商業事件は、弁護士資格を有する者に手続きを委任しなければならない。

4.強制調停手続の採用:重大な商業事件は、先に調停手続をしなければならない。商業専門知識を有する商業調停委員が、訴訟の負担を軽減し、迅速に紛争を終結させるために、当事者による自主的な紛争解決を支援する。

5. 専門家証人及び当事者照会制度の導入:当事者は審判の専門性を強化するために、専門家証人に意見の提供を求めることができ、また審判の進行を加速化させるために、項目を挙げて相手方に照会し又は説明するよう求めることもできる。

6. 秘密保持命令:手続中の文書、検証物又は鑑定に必要な資料が営業秘密に関わる場合、所持者は、真実の発見と営業秘密の保持の両方を考慮して、裁判所に秘密保持命令を発するよう申立てすることができる。

二、「知的財産裁判所組織法」を「知的財産及び商業裁判所組織法」に改正し、商業裁判所を新設し、知的財産裁判所と合併して「知的財産及び商業裁判所」とする。

1.商業裁判所は、商業事件審理法第2条第2項に定める重大な商業事件を管轄し、3名の合議体で審理を行い、二級二審制を採用する(第2条、第3条、第6条)。また、知的財産法廷と商業法廷を分けて、専門的な審理を実施する(第9条、第10条、第15条)。そして商業専門の裁判官は商業の専門知識を有する弁護士、中央研究院の関連研究者又は公務員から選び、担当させることができる(第14条)。

2.商業調査官を設置する。会計、投資、財務分析、経済及び金融市場などの専門知識を有する者が、商業の専門的な資料及び問題の収集、分析、判断において裁判官をサポートする(第16条、第17条)。

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